大日本印刷は、世界遺産の仁和寺「金堂」を3Dデータとして計測し、8K対応の高精細なVRコンテンツを制作した。フォトグラメトリ計測と、レーザー計測を組み合わせて3Dデジタル化している。
大日本印刷(DNP)は2019年8月29日、世界遺産の仁和寺「金堂」を3Dデータとして計測し、8K対応の高精細なVR(仮想現実)コンテンツを制作したと発表した。
制作には、同社が参画している「京都・文化遺産アーカイブプロジェクト」「フランス国立図書館の貴重な地球儀・天球儀の3Dデジタル化プロジェクト」などで培った撮影技法やデジタル化のノウハウを活用。高解像度の撮影を行い、金堂の材質や質感などを高精細に再現した。
金堂の3D計測では、画像から3Dデータを生成するフォトグラメトリ計測と、レーザーを対象物に照射し、3Dデータを取得するレーザー計測を組み合わせて3Dデジタル化した。
VRコンテンツでは、特別公開時にしか見られない金堂内部を歩いているような「ウォークスルー形式」で鑑賞できる。また、特徴的な意匠や見どころを音声とテキストで解説。鑑賞時には、仁和寺の読経の音源を流すことにより来訪者に金堂内で拝観しているかのような体験を提供する。
さらに、VRコンテンツの制作のために計測した各種データは、自然災害や火災などで修復や復旧が必要となった場合の図面として活用できる。また、これらのデータは新たなコンテンツの制作に利用でき、文化財を身近に楽しむ機会の提供にもつながる。
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