高速加工と加熱長寿命で生産性を向上する電子ビーム金属3DプリンタFAニュース

三菱電機は、熱源に電子ビームを用いた金属3Dプリンタ「EZ300」を発表した。毎時250ccの高速加工と、加熱寿命1000時間を可能にする独自の棒状陰極により、製造現場の生産性向上に貢献する。

» 2019年09月10日 07時00分 公開
[MONOist]

 三菱電機は2019年9月2日、熱源に電子ビームを用いた金属3Dプリンタ「EZ300」を発売した。希望小売価格は9800万円(税別)。年間10台の販売を目指す。

 EZ300は、電子ビームを熱源とし、粉末床溶融結合方式で造形する金属3Dプリンタだ。毎時250ccの高速加工を可能にする最高出力6kWの電子銃用電源を搭載する。また、同社が電子ビーム加工機で培ったビーム収束、偏向技術により、最適なビームスポットの形成と走査を提供し、生産性向上に貢献する。

 電子ビームの発生源となる棒状陰極は、加熱制御を最適化する独自構造となっている。棒状陰極を納める真空室は真空度が保持され、異物進入を防止する構造であるため、棒状陰極の加熱寿命が1000時間と従来の10倍以上に延長した。

 さらに、汎用性を考慮した設計で、電子ビームの出力や走査速度、ビーム径といった造形時の条件設定の自由度が向上している。

photo 電子ビーム金属3Dプリンタ「EZ300」(クリックで拡大) 出典:三菱電機

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