「サーブリッグ分析」の理解は、より効率的な作業設計には欠かせないよくわかる「標準時間」のはなし(11)(2/3 ページ)

» 2019年09月09日 10時00分 公開

サーブリッグ記号(6)〜(17)

(6)分解(DA:Disassemble)

サーブリッグ記号「DA」
  • 定義:二つ以上の物を分解する動作
  • 記号の形:組み合わせたものから1本を離した形
  • 内容説明:
    手で一組の組み合わせた物から、取り除き始めたときに始まり、手が対象物を完全に分離したときに終わる
  • 参考事例:鉛筆のキャップを外す

(7)離す(RL:Release Load)

サーブリッグ記号「RL」
  • 定義:手または指で捉えていた物を離す動作
  • 記号の形:皿を逆にした形
  • 内容説明:
    1. 対象物が手から離れ始めるときに始まり、手から離れたときに終わる
    2. 「つかむ」の反対である
    3. 対象物を置いてから離す、置く前に離す、落とす、投げる、「保持」から離すなどがある
  • 参考事例:鉛筆を手から離す

(8)空手運搬(TE:Transport Empty)

サーブリッグ記号「TE」
  • 定義:何も持っていない手の移動
  • 記号の形:空の皿の形
  • 内容説明:
    1. 手が動き始めた時に始まり、次の動作、例えば「つかむ」の物に触れた時に終わる
    2. 対象物に向かって移動する場合と、仕事が終わって手が元に戻る場合がある
  • 参考事例:鉛筆が置いてある所へ手を伸ばす、または鉛筆を離して手を戻す

(9)運搬(TL:Transport Lorded)

サーブリッグ記号「TL」
  • 定義:物を保持して、ある場所から他の場所に移す
  • 記号の形:皿に物を乗せている形
  • 内容説明:
    1. 対象物が動き出すときに始まり、静止した時に終わる
    2. 「運搬」は、空間を運ぶ、押す、引っ張る、滑らす、引きずるなどがある
    3. 「運搬」の途中に静止があれば「保持」動作になる
  • 参考事例:鉛筆を持ってくる

(10)探す(SH:Search)

サーブリッグ記号「SH」
  • 定義:眼または手で目的物の場所を探す動作
  • 記号の形:目で物を探す形
  • 内容説明:
    1. 探し始めてから見いだすまでの動作
    2. 対象物の位置があらかじめ決めてあれば、この動作は少なくなる
    3. 作業が複雑であったり、作業の不安定なときには多く発生したりする
    4. 作業に習熟して、手の自然な運動方向に対象物がある場合は、この動作は不要となる
  • 参考事例:鉛筆がどこにあるかを探す

(11)選ぶ(ST:Select)

サーブリッグ記号「ST」
  • 定義:数個の中から1個を選ぶ動作
  • 記号の形:選んだ物を指示した形
  • 内容説明:
    1. 眼または手が、対象物を探し始めてから、その対象物を発見するまでの動作
    2. 「つかむ」と結合することがある
    3. 「探す」と続いて起きる、また「空手運搬」と「つかむ」の動作間に起きる
  • 参考事例:数本の鉛筆の中から、適当な物を選び出す

(12)保持(H:Hold)

サーブリッグ記号「H」
  • 定義:対象物を動かすことなく、保持している動作
  • 記号の形:磁石に物を吸い付けた形
  • 内容説明:
    1. 対象物が静止している場合は、停止したときに始まり、次の動作が始まるときに終わる
    2. 広義に解釈すれば、手や指のほか、体の一部での「保持」も含まれる
    3. 体や対象物の不安定な状態を支える場合にも使う
  • 参考事例:鉛筆を持ったままでいる

(13)避けられない遅れ(UD:Unavoidable Delay)

サーブリッグ記号「UD」
  • 定義:有効な動作を含まず、作業者自身が制御できない動作。例えば、作業者に責任のない作業の中断、一方の手が働いている間に他方の手が働き得ないような作業方法などの場合
  • 記号の形:人がつまずいて倒れた形
  • 内容説明:
    1. 手がその動作を止めたときに始まり、再び動作を始めた時に終わる
    2. “遅れ”は、作業目的に何ら関係のない動作または、停止である
  • 参考事例:停電で、字が書けなくなって手待ちとなった

(14)避けられる遅れ(AD:Avoidable Delay)

サーブリッグ記号「AD」
  • 定義:有効な動作を含まず、作業者自身で制御(処理)できる遅れ
  • 記号の形:人が寝ている形
  • 内容説明:
    1. 手がその動作を止めたときに始まり、再び動作を始めた時に終わる
    2. 現在の作業方法で、避けようと思えば避けられる遅れである
    3. 作業者の責任で避けなければならない遅れである。例えば、手違い、怠慢、不注意などによる作業中断
  • 参考事例:よそ見をして、字を書くことを止めている

(15)疲労のための休憩(R:Rest for overcoming fatigue)

サーブリッグ記号「R」
  • 定義:作業により起こる疲労回復の心身の休み
  • 記号の形:人が椅子に腰を掛けた形
  • 内容説明:
    作業者が動作を止めたときに始まり、動作を始めたときに終わる
  • 参考事例:疲れたので休息する

(16)考える(PN:Plan)

サーブリッグ記号「PN」
  • 定義:次または後に行うことを計画、理解または判断する心理的作用である。手を休めて「考える」こともあれば、動作をしながら「考える」こともある。後者の場合は“遅れ”は起こらない
  • 記号の形:頭に手を当てて考えている形
  • 内容説明:
    1. 考え始めてから、終わるまでである
    2. 動作中にも行われているが、測定は困難である
  • 参考事例:どんな字を書くか考える

(17)検査(I:Inspect)

サーブリッグ記号「I」
  • 定義:対象物を定められた標準と比較する動作
  • 記号の形:レンズの形
  • 内容説明:
    1. 眼または体の部分で検査をし始めた時に始まり、検査が完了したときに終わる
    2. 視覚、聴覚、触覚、味覚などの感覚を用いて比べる
  • 参考事例:字の出来栄えを調べる

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