また、両社がそれぞれ展開するIoT(モノのインターネット)プラットフォームでも相互に補完し合える関係性があることも、今回の取り組みの背景にあるとみられる。ファナックが展開する「FIELD System」は、IoTの枠組みの中でエッジとなる工場側を重視したプラットフォームになっている。日立の「Lumada」は、自社工場の技術に基づくOT(制御技術)と、ITソリューションベンダーとしての長年の実績を基にしたITの両方を強みとしている。
自社工場への5G導入の実績は、将来的には、そのノウハウなどをIoTプラットフォームと組み合わせてスマート工場ソリューションとして外販することになる。両社は、IoTプラットフォームについても得意分野が異なることもあって、5GとIoTプラットフォームを組み合わせたスマート工場ソリューションの開発でも競合しない可能性が高い。
NTTドコモにとっても、ファナックと日立という業界を代表する製造業と組むことで、製造現場における5G活用で競合に対して先行したい考えだ。3社の取り組みの発表と同日に、工場自動化など産業向けユースケースへの5G技術の活用を検討するグローバルなアライアンスである「5G-ACIA(5G Alliance for Connected Industries and Automation)」への加入を発表したことも、その考えを裏付けている。
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