2画面ノートPC「ZenBook Pro Duo」を徹底分解して見えたASUS流の品質設計隣のメカ設計事情レポート(10)(4/8 ページ)

» 2019年08月20日 15時00分 公開
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(3)底面カバー

図11 ビス頭を隠すセレスティアルブルーのゴムブッシュ 図11 ビス頭を隠すセレスティアルブルーのゴムブッシュ ※クリックで拡大

 アルミダイカスト製の底面カバーは、ビス10本で外すことができる。ビス頭は星型で、サービスマンしか外せない。10本のビスのうち2本は完全に底面にあるため、ビス頭を外装色と同色のセレスティアルブルーのゴムブッシュで隠してある(図8を参照)。

図12 斜め打ちのビス 図12 斜め打ちのビス ※クリックで拡大

 残りの8本のビスは、製造時のビス留めで斜め打ちとなっている。基本的に手作業によるビスの斜め打ちは、電動ドライバーの角度決めが難しく、製造現場では好まれない。さらに柔らかい材質のアルミ製シャシーにマシンネジを使用することは、斜め打ちと併せてネジバカになる危険性が高い。しかし、デザイン的な配慮から、斜め打ちを是としていると思われる。

図13 黒メッキのビス頭 図13 黒メッキのビス頭 ※クリックで拡大

 これら10本のビス頭は、黒メッキが施されている。頭部分だけ黒というビスは初めて見た。全体が黒メッキのビスをなぜ使用できないのかは不明である。とにかく外装色と色を合わせているのは確かである。

 ここで紹介したシボ加工のゴムシート、外装色のゴムブッシュ、黒メッキのビス頭、そしてビスの斜め打ちは、このモデルが「底面」にもデザイン的なこだわりを見せているためと思われる。

図14 底面カバーの輻射対策 図14 底面カバーの輻射対策 ※クリックで拡大

 底面カバーは、外装の役割を持つセレスティアルブルーのアルミダイカスト部品と、シャシーの役割を持つ黒色の樹脂部品の2部品が締結されている。アルミダイカスト部品にはアルマイト処理が施されているが、マスキングにより数カ所の生地が露出している。目的は輻射対策のアースである。マスキングは手作業でありコスト高となるが、輻射対策を万全に行っている結果である。

図15 スピーカー用の穴 図15 スピーカー用の穴 ※クリックで拡大

 側面には直径約0.5mmのスピーカー用の穴がきれいに開けられている。AppleのノートPCにも似た、手の込んだ加工である。

図16 底面カバーを外した本体 図16 底面カバーを外した本体 ※クリックで拡大

 図16は、底面カバーを外した状態である。円形の2つのシロッコファンにエンジンダクトのようなヒートパイプが2本ずつ、合計4本がつながり、さらにヒートシンクが溶接されている。これら冷却ユニットの向こう側に見えるのがマザーボードである。マザーボードの下側にはバッテリーがあり、その両脇に2つのスピーカーがある。最も下側の中心にLEDイルミネーション、そして、その両脇に2つのWi-Fiアンテナが配置されている。

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