ただし、計算するための基礎となる要素、例えば、力のかかり方や、材料はプラスチックでよいのか、3Dプリンタで作るのか、金型で作るのか、といった各種要件は、設計者やデザイナーなどの「人間」が決める必要があります。
製造業の解析部門のエンジニアであれば、もしかしたらすぐに使いこなせるかもしれませんが、筆者のような3Dモデリングと切削加工が得意な人間でも、十分にデザインを創出できましたので、以降でそのプロセスを簡単にご紹介したいと思います。
まず、ここではサスペンションアームのような形状を例に、ジェネレーティブデザインの使い方を説明します(図3)。
保持ジオメトリとは、ネジ穴など残しておかないといけない部分です。例えば、他の部品と接続、嵌合(かんごう)するような箇所は、ソリッドモデル形状を作成して保持ジオメトリとして選択します。
障害物ジオメトリとは、空けておきたい領域、干渉しては困る領域のことです。自動車のタイヤなど、左右に動くようなパーツが周囲にある場合は、動く範囲を想定してソリッドモデルを作りましょう。
それぞれソリッドモデルを作成し、選択します。ソリッドモデルの作成方法は非常に簡単で、ドーナツ状の円柱形状や、スケッチと押し出しの操作さえ分かれば、誰でも作成できます。
どこを固定して、どこに荷重を掛けるのかを設定します。ペットボトルをイメージしてください。本体を持たずにフタをひねっても空きませんよね。3Dモデルも同じで、固定する場所を決めて、力を加える場所を設定することで、力の流れが出来上がるのです。
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