「OPC UA」とは何か : OPC UA最新技術解説(1) (3/3 ページ)
プラットフォーム非依存で、安全につながるというOPC UAのコンセプトは広く支持され、多くの通信領域において採用が検討されています。特にさまざまな技術の受け皿となれる点が大きな特徴になっているといえます。
既にOTでの相互連携、ITとOTの連携、クラウドとの連携などに数多くの実績がありますが、TSN(Time Sensitive Networking)対応が大きな話題となっています。イーサネットを用いたデータ遅延のばらつきを回避するプロトコルであるTSNはリアルタイム性や時刻同期性などが大きな注目を集めています。OPC UAがTSN対応することで、フィールドレベルでのデバイスもOPC UA連携とすることが可能になります。
また、5Gを用いた無線通信のOPC UA対応も検討が始まっています。技術が進歩すれば衛星からの遠隔操作やリアルタイム制御も可能になるかもしれません。OPC UAの可能性はまだまだ広がり、活用方法に関する議論も進んでいくと考えています。
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図4 OPC UAによるさまざまな連携(クリックで拡大)出典:日本OPC協議会
日本OPC協議会 技術部会長 藤井稔久(ふじい としひさ)
日本OPC協議会では技術部会長として国内のOPCの普及と維持に努める。OPC UAの国際標準化を審議するワーキンググループ(IEC/SC65E/WG8)の国内委員会幹事を10年務め、その功績により日本電気計測器工業会の国際標準化作業貢献賞を2014年に受賞。現在も国際エキスパートとして規格化に貢献する。
アズビル株式会社では産業オートメーションシステムのソフトウェア開発に従事し、フィールドバス、分散制御システム(DCS)、製造実行システム(MES)、クラウドアプリケーションに携わる。
主要規格と続々連携、ハノーバーメッセを席巻したOPC UAのカギは“間をつなぐ”
OPC UAなどのOPC規格の普及促進などを進めるOPC Foundationは、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、業界独自の通信規格などを展開する主要団体と続々と連携し、産業用IoTなどでカギを握る異種システム間連携の業界標準的地位を確立しつつあることをアピールした。
インダストリー4.0で重要な役目を果たす、Windows生まれの「OPC UA」
Windows OSで使われていたOLEを発端とする産業オートメーション標準規格が「OPC UA」だ。トランスポート〜プレゼンテーション層に相当する機能を提供しながら上下層の規定がないという柔軟性を持ち、インダストリー4.0においても重要な役割を担う。
工場の「つながる化」を可能とする「管理シェル」とは何か
ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)の“IoTによる製造ビジネス変革WG(WG1)”では、ドイツが進めるインダストリー4.0において、データ連携を実現する重要なカギとされている「管理シェル」について調査を行い、これを解説する調査報告書をリリースした。本稿ではこの概要を紹介する。
インダストリー4.0がいよいよ具体化、ドイツで「実践戦略」が公開
注目を集めるドイツのモノづくり革新プロジェクト「インダストリー4.0」。この取り組みを具体化する「実践戦略」が2015年4月に示された。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。
なぜ工場ネットワークで「OPC UA」が注目されるのか
スマート工場化など工場内でのIoT活用が広がる中、注目度を高めているのが「OPC UA」だ。本稿では、OPC UAの解説を中心に工場内ネットワークで何が起きようとしているのかを紹介する。第1回は工場内ネットワークの仕組みと、なぜ「OPC UA」が注目を集めているのかについて説明する。
簡単IoTが描くカイゼンの進む道、大きなポイントは「OPC UA」
産業用オートメーションと計測技術の展示会「システムコントロールフェア(SCF)2017/計測展2017 TOKYO」では、さまざまなオートメーションの最新技術が示されたが、多くの来場者の関心を集めていたのが「簡単IoTによる見える化」である。
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