VR/ARが描くモノづくりのミライ 特集

トヨタがマイクロソフトとMRの提携を拡大、進化遂げた「HoloLens 2」も採用へde:code 2019 基調講演(2/2 ページ)

» 2019年05月30日 06時30分 公開
[朴尚洙MONOist]
前のページへ 1|2       

HoloLens開発者のキップマン氏がHoloLens 2を紹介

マイクロソフトのアレックス・キップマン氏 マイクロソフトのアレックス・キップマン氏

 米国本社担当者の講演で注目を集めたのは、テクニカルフェローでHoloLensの開発を担当するアレックス・キップマン(Alex Kipman)氏によるHoloLens 2の紹介だろう。

 HoloLens 2は2019年2月開催の「MWC 2019」で発表され、現行のHoloLensと比べて視野角2倍、快適性3倍、そしてオープンな開発体制が特徴となっている。2019年後半の発売を予定しており、デバイス単体の価格は3500米ドル。ただし、開発者向けパッケージとして1カ月当たり99米ドルというサブスクリプションライセンスも用意される。キップマン氏は「HoloLensからHoloLens 2への飛躍は、HDディスプレイからいきなり8Kに移行するようなレベルと言っていい。それを、HoloLensの5000米ドルより安価な3500米ドルで販売するとともに、オープンな開発を広げる価格設定の開発者向けパッケージも用意した」と述べる。

 また、HoloLensがさまざまな現場で働くフロントラインワーカー向けへの展開を目指していたこともあり、導入事例では現場で利用に合わせたカスタマイズが難しいことが課題になっていた。キップマン氏は、HoloLens 2ではカスタマイゼーションキットを提供する予定であり、既にトリンブル(Trimble)がヘルメットと融合した「XR 10」を開発していることを紹介した。

トリンブルの「XR 10」 トリンブルが開発している「HoloLens 2」と融合したヘルメット「XR 10」(クリックで拡大) 出典:日本マイクロソフト

 また、講演中のデモでは、最高のヘッドセットとなるように装着感を高めるための設計を行ったことを強調。「帽子を被るように装着できる」(キップマン氏)として、実際にHoloLens 2を簡単に装着できることを示した。さらに、装着したHoloLens 2と自身の3Dキャプチャーモデル2体を使って、自身の目の前で格闘ゲームのように互いを戦い合わせるというデモを披露。

自身の3Dキャプチャーモデル2体格闘ゲームのように互いを戦い合わせるデモ キップマン氏は自身の3Dキャプチャーモデル2体を使って(左)、格闘ゲームのように互いを戦い合わせるというデモを披露(右)(クリックで拡大)

 加えて、Azure AI機能との組み合わせ事例として、自身が英語でスピーチしている姿をキャプチャーし、スピーチを日本語に翻訳した音声を重ねることで、あたかも日本語で講演しているようになることを示した。

Azure AI機能との組み合わせ Azure AI機能との組み合わせでは、日本語で講演しているように見せることができる。本人が隣に居るのがシュール(クリックで拡大)
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.