PTCは、年次テクノロジーカンファレンス「LiveWorx 2018」の展示コーナー「Xtropolis」において、熟練技術者の作業内容を直接キャプチャーし、短時間でARトレーニングのデータとして出力できる技術を公開した。
PTCは、年次テクノロジーカンファレンス「LiveWorx 2018」(2018年6月17〜20日、米国マサチューセッツ州ボストン)の展示コーナー「Xtropolis」において、熟練技術者の作業内容を直接キャプチャーし、短時間でARトレーニングのデータとして出力できる技術を公開した。2019年夏ごろまでをめどにβ版のリリースを目指して開発が進められている。
この技術は、PTCが買収したMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボのスピンアウトベンチャー・Waypoint Labs(以下、Waypoint)が開発したものだ。「世界で20億人ともいわれるフロントラインワーカー(現場の作業者)にAR活用を広げたい。しかしそのボトルネックになっているのがARコンテンツのオーサリングだ。Waypointの技術を使えばその課題を解決できる」(Waypointの説明員)という。
Waypointの特徴は、マイクロソフトのARヘッドセット「HoloLens」を装着した熟練技術者の作業内容を自動的にキャプチャーすることにある。作業を行う空間の点群データを取得しておいた上で、熟練技術者がその空間のどのルートを通って、どの場所で、どのような作業を行ったかという作業内容をデータとして自動的にキャプチャーする。このキャプチャーデータを基に、WordやPDFといった文書ベースの手順書を作成するのに15分程度かかる。作業内容のARトレーニングに用いるデータを出力するのにはさらに15分かかり、合計約30分で作成できる。「通常、こういった作業内容の手順書を作成するのに6〜8時間かかるが、その手間を大幅に省ける」(同説明員)という。
なお、この技術を商品化する際には、PTCのAR開発プラットフォーム「Vuforia」に組み込むことになるとしている。
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