VR/ARが描くモノづくりのミライ 特集

3D設計データをAR/MRデータに自動変換するサービス、「HoloLens 2」対応も明言VRニュース(1/2 ページ)

SB C&Sとホロラボは、製造業や建設業の3D設計データを自動変換し、AR/MRデバイスで利用できるようにする可視化ソリューション「mixpace(ミクスペース)」を共同開発した。

» 2019年02月26日 07時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 SB C&Sとホロラボは2019年2月25日、東京都内で会見を開き、製造業や建設業の3D設計データを自動変換し、AR(拡張現実)/MR(複合現実)デバイスで利用できるようにする可視化ソリューション「mixpace(ミクスペース)」を共同開発したと発表した。同日から、SB C&Sが契約している国内約1万社のパートナーを通じてサブスクリプションモデルでの販売を始める。価格(税別)は、初回ユーザー限定のトライアル版となる「mixpace trial」が60日間で9万2000円。年間契約ライセンスの「mixpace standard」が116万4000円、オートデスクのBIMツール「Revit」のデータに対応する「mixpace standard + R」が138万円。

 mixpaceは、「Inventor」をはじめとするオートデスクの3D CADデータ、中間ファイル形式であるSTEPや3Dプリンタなどで用いられるOBJやSTLのデータ、RevitのBIM(Building Information Modeling)データをWebブラウザでクラウドにアップロードすると、自動でAR/MRデータに変換してくれるサービスだ。データ変換にはオートデスクのWebAPI「Forge」を採用しており、クラウドはマイクロソフトの「Azure」を用いている。

「mixpace」による3D設計データからAR/VRデータへの変換の流れ 「mixpace」による3D設計データからAR/VRデータへの変換の流れ(クリックで拡大) 出典:ホロラボ
「mixpace」のラインアップと価格、対応ファイル形式 「mixpace」のラインアップと価格、対応ファイル形式(クリックで拡大) 出典:SB C&S、ホロラボ

 変換後のAR/MRデータは、マイクロソフトのMRデバイス「HoloLens」にダウンロードしてそのまま使用することができる。HoloLens上で扱う際には、マニュピレーターによる移動、回転、拡大縮小操作が可能な直感的なインタフェースを用意した。

「HoloLens」の利用イメージ「HoloLens」の利用イメージ 「mixpace」で変換したAR/MRデータを「HoloLens」で利用するイメージ(クリックで拡大) 出典:ホロラボ

 ホロラボ 代表取締役 CEOの中村薫氏は「当社はHoloLensなどを中心にAR/MR技術に関わる事業を展開している。2018年の当社のHoloLens関連の案件は30プロジェクトあり、そのうち建設業と製造業が約3割ずつを占め、トータルで6割に上った」と語る。これほどに需要がある一方で、3D設計データからAR/MRデータへの変換は手作業で何日もかかることが課題になっていた。「mixspaceはこのデータ変換作業を数十分〜1時間程度で完了させられる。製造業や建設業に携わる方々にとって、AR/MRをより身近に感じていただけるのではないか。さらに、3D設計データの中に込められているさまざまな情報を保持したままで軽量化できることも特徴の1つだ。手作業だと、これらの情報が抜け落ちてしまうことも多かった」(中村氏)という。

左から、SB C&Sの永谷博規氏、ホロラボの中村薫氏、SB C&Sの草川和哉氏 左から、SB C&Sの永谷博規氏、ホロラボの中村薫氏、SB C&Sの草川和哉氏
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