マイクロソフトは、ハノーバーメッセ2019において、製造業を含む産業のデジタル変革が既に多くの実績と成果を挙げている状況を紹介。これらの動きを、エッジコンピューティングやクラウド基盤、AI、ブロックチェーンなど豊富に抱えるさまざまな技術リソースにより、包括的に支援できる強みを訴えた。
マイクロソフトは、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、製造業を含む産業のデジタル変革が既にビジネス面で多くの実績と成果を挙げている状況を紹介。これらの動きを、エッジコンピューティングやクラウド基盤、AI、ブロックチェーンなど豊富に抱えるさまざまな技術リソースにより、包括的に支援できる強みを訴えた。
マイクロソフトはハノーバーメッセを産業向けソリューションのグローバル発信をする展示会として重視しており、毎年ブースには数多くのパートナー企業やユーザー企業が出展し、新たなソリューションなどを披露するとともに、実ビジネスとして稼働する導入事例などを紹介している。
ハノーバーメッセ2019において1つ注目を集めたのが、豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニー(以下、トヨタL&F)のフォークリフトの自動走行である。トヨタL&Fはハノーバーメッセ2018でもマイクロソフトブースに出展し、マイクロソフト・リサーチが開発したオープンソース化したシミュレーター「AirSim」により自動走行を実現した様子などを紹介していた※)。
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今回はこれをさらに進化させ、フォークリフトが自律的に障害物を避けながら目的地まで走行するだけでなく、フォークも駆動させて対象物を運ぶという3次元での自律作業を実現していることが特徴である。会場では、3分の1サイズのミニチュアフォークリフトを持ち込み、自律作業の様子を披露した。
これらの3次元での自律作業を実現したポイントとなっているのが強化学習AI「Bonsai」を活用したという点である。Bonsaiは深層強化学習に強みを持つAIベンチャーだが、2018年にマイクロソフトが買収を発表。マイクロソフトのクラウド基盤「Microsoft Azure(以下、Azure)」で活用できるようになった。
Bonsaiの深層強化学習を使うことで、シミュレーション空間上での学習をより早く行い、アルゴリズムを生成することが可能となる。フォークリフトの自律作業は、「移動」だけを想定した2次元での動きとは異なり、フォークで荷物を持ち上げたり、下ろしたりする3次元の動きが生まれる。そのため、自律作業に必要なアルゴリズムやそれに伴う学習などもより複雑化するが、Bonsaiを用いることで、より早く演算を終えることが可能で、利用までの時間を短縮化できる点が特徴だ。さらに、AIの知識がなくても利用できる簡単さなども魅力だという。
日本マイクロソフト エンタープライズ事業本部 製造営業統括本部 インダストリ−マ−ケティングマネ−ジャ−の鈴木靖隆氏は「実証であれば時間をかけることはできるが、実運用レベルで考えると学習などの準備作業は短く、簡単にプログラムできなければ使えない。Bonsaiの活用はAIの民主化を推し進めるものだといえる」と価値について訴えている。
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