WF法による分析事例について簡単に説明します。例えば「工具を取るために、腕を13インチ動かす」という動作は“A13D”と分析されます。表2を参照すると、この例の場合は、ワーク・ファクター数は1個の欄と距離欄の13インチの欄から標準時間として67が得られます。すなわち、動作は0.0067分で行うのが標準動作であるということになります。
また、ワーク・ファクターであるW、D、S、P、Uは、おのおの1個として“A13DSU”と“A13DPW”とでは、動作の性質は全く異なりますが、ワーク・ファクター数は3個で、標準時間は表から105となります。なお、WF法の時間単位は、1WFU=0.0001分です。
WF法をまとめて図示すると図1のようになります。しかし、実際の動作は、必ずしも分類した身体の一部のみで行われるものではなく、幾つかの身体部位が同時に動作することが多いものです。例えば、胴を曲げて足元に置いてある物をとる場合は、胴、腕、指などが同時に動きます。
また、WF分析は、140余りに及ぶルールに沿って行わなければ正しい作業時間を決定できません。WF法は、時間を測るのではなく、動作分析を行うことですので、作業改善に非常な威力を持っており、この魅力にとらわれて“WF分析技術”を十分に身に付けないうちに使ってみたがる傾向にありますが、これは絶対に慎むべきことです。事前に学習と実地訓練をシッカリ受けた後に、活用していくように心掛けることが大切です。また、WF法には次のような特徴があります。
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