矢野経済研究所は、金属粉末射出成形についての調査結果を発表した。同技術の国内市場規模の推移と予測、関連企業の動向、将来展望が示されており、2025年度のメーカー出荷金額ベースでの市場規模を、265億8200万円と予測している。
矢野経済研究所は2019年4月19日、金属部品製造技術である金属粉末射出成形(MIM)についての調査結果を発表した。国内MIM市場規模の推移と予測、関連企業の動向、将来展望が示されている。
同調査は、MIM関連メーカーや日本粉末冶金工業会を対象とし、2018年11月〜2019年3月に実施した。2017年度のメーカー出荷金額ベースでの国内MIM市場は、推計で123億1300万円、2018年度の同市場規模は、前年度比110.2%の135億6700万円になると見込んでいる。
MIM関連メーカー各社の多くが、対前年度成長として10〜15%を目標にしており、ほとんどのメーカーが事業拡大のための投資を計画している。投資には、射出成形機の追加導入、焼却(焼結)炉などの関連設備や測定機器の拡充、自動化や省力化への投資なども含まれる。既に関連設備や機器の整備を終えて、明確な成長路線を敷いている企業もあるという。
国内のMIM市場は、MIM関連メーカーが多様な需要を取り込むことで成熟してきた。今後は、医療機器や自動車など特定分野の部品への採用拡大が成長をけん引していくとみられる。医療機器部品は難加工材料であるチタン、自動車部品としては電動化関連の需要が注目されている。
同調査によると、2015年度から2025年度までのCAGR(年平均成長率)は、9.78%と良好で、2025年度のメーカー出荷金額ベースでのMIM市場規模を、265億8200万円と予測している。
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