このほど発表したAWC-SCは無線バックホールでアクセスポイント間の通信を行うため、アクセスポイントとネットワークスイッチ間の配線作業が削減できる。また、AWC-CBとの連携によりローミングレス通信を実現しサイトサーベイも不要だ。さらに、トライバンドのアクセスポイントに対応し、他の無線バックホールで発生したマルチホップのスループット低下を防ぐことができる。
佐藤氏はAWC-SCについて「電源を入れるとすぐに使える。ダムハブのような手離れの良さ」と胸を張る。従来技術とAWC-SCを比較した場合、「同台数のアクセスポイントを増設するとき、工数を10分の1まで削減できる」(佐藤氏)という。
また、AWC-SCでは京都大学と共同で開発した独自のデバイス位置測位技術を採用した。これまでも無線LANによる3点測位技術は存在していたが、「アクセスポイントの正確な位置を事前に把握しておく必要があり、アクセスポイントの位置を気軽に変更できない。また、専用装置が求められることもある」(佐藤氏)ことが導入のハードルとなっていた。
AWC-SCの測位技術では3個のアクセスポイントで三角形の仮想領域を形成し、デバイスが領域内外のどちらに存在するか判定する。同手法ではアクセスポイントの正確な位置情報は不要で、アクセスポイントを密に配置することで仮想領域が狭まるため測位精度も向上する。現在位置だけでなく動線も記録できるため、「非常に簡単に無線デバイスの見える化を実現できる」(佐藤氏)だという。同社ではAWC-SCの利用イメージとして、工場内を移動するAGV(無人搬送車)のリアルタイム稼働監視を提案している。
同社はAWC-SCの利用ライセンスを2019年9月から提供開始する予定だ。
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