アイエイアイは「第23回 機械要素技術展」に出展し、配線ケーブルをほぼ不要とする「無線I/Oシステム」を参考出品した。将来的にはPLCなどなしに電源信号だけで制御が可能な世界を描く。
産業用ロボットなどを展開するアイエイアイ(以下、IAI)は「第23回 機械要素技術展」(2019年2月6日〜8日、東京ビッグサイト)に出展し、配線ケーブルをほぼ不要とする「無線I/Oシステム」を参考出品した。将来的にはPLCなしに電源信号だけで制御が可能な世界を描く。
IAIが参考出品した「無線I/Oシステム」は、独自の「無線I/Oコントローラー」を設置することで、配線なしに多軸同期を行いながらモーション制御を行う制御システムだ。
従来の有線ケーブルでは、機器や工場内に設置された制御盤内から複雑な配線を行いながら、さまざまな機器動作制御を行ってきた。しかし、配線の複雑さから柔軟な変更などが行えなかったり、制御盤が大きくなりスペース効率が問題になったりするなど、大きな負担となっていた。IAIの提案はこれらを無線化し、配線を簡略化することで、シンプルでコンパクトな制御を実現するものである。
重要な役割を担うのが「無線I/Oコントローラー」である。「無線I/Oコントローラー」は40×90×15mmのコンパクトサイズの筐体に、「無線I/O制御」「シーケンス制御」「多軸同期制御」「モーション制御」の4つの機能を収めたものとなる。制御情報は産業用PCから信号灯タイプの通信親機に飛ばし、そこから「無線I/Oコントローラー」と通信する。通信にはWi-Fiを使うというが、遅延なしで同期制御させる技術などについては「公表していない」(ブース説明員)としている。
通信親機から、時系列情報を飛ばし、その時系列情報を基に、複数のコントローラーで同期制御を行うという仕組みを取っているという。
ブース説明員は「無線I/Oによる制御システムが実現できれば、制御盤への配線は電源のみで可能になり、大幅な省配線化が可能となる。規制への対応などを含めて各種手続きなどを進めているところであるので製品化の時期は未定だが、新たな制御システムの仕組みにつなげていきたい」と語っていた。
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