シスコシステムズは、引火や爆発の危険性がある工場や現場を無線LANでつなぐ「危険エリア ソリューション」を発表した。データ通信や通話、遠隔監視、作業者や設備の位置情報管理を支援する。
シスコシステムズは2017年5月16日、ガス/石油プラント、化学工場など、引火・爆発の危険性がある工場や現場をつなぎ、データ通信や通話、遠隔監視、作業者や設備の位置情報管理を支援する「危険エリア ソリューション」を発表した。
同ソリューションのベースとなるのは、同社の防爆規格対応無線LANアクセスポイント「Cisco Aironet 1552H(AIR-CAP1552H-Q-K9)」。産業安全技術協会(TIIS)の日本国内防爆規格と国際防爆規格を取得済みで、各国のWi-Fi無線規格に対応しており、海外への展開も可能だ。
電波干渉を正確に検知/回避する機能、無線クライアントのパフォーマンスを増強する機能、電波品質を可視化する機能を搭載し、アクセスポイントを管理する無線LANコントローラーとの併用で、より高品質な無線LAN環境を屋内外に展開できる。
各デバイスが接続するWi-Fiアクセスポイントからユーザーの位置情報を収集する「Cisco MSE」や、データ解析ソリューション「Cisco CMX」と連携することで、危険エリアでの人員配置の確認や作業の効率化に活用できる。位置情報管理は、「Cisco Prime」や開発パートナーが提供するGUIによって可視化することが可能だ。
さらに、ビデオコミュニケーションによる遠隔支援では「Cisco Jabber」の利用により、使用するデバイスや場所を問わずにメンバーやチーム間でビデオコミュニケーションや資料共有ができる。ビデオ会議端末「Cisco Telepresence」、Web会議室システム「Cisco WebEx」、クラウド型コラボレーションシステム「Cisco Spark」などと連携すれば、本社や会議室などから現場の作業支援が可能になる。
爆発の危険性がある現場では、操業および保守作業の安全の担保と効率化が求められ、ITデバイスの活用が検討されている。しかしこれまで、広大で無線電波の干渉源が多い環境に防爆対応でかつ高品質な無線LANを敷設し、ストレスのない通話や高品質な映像でコミュニケーションを取るのは困難だった。
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