AIとロボットを用いた医療説明支援の共同研究医療機器ニュース

エクスウェアと聖路加国際大学は、AIとヒト型ロボットを用いてインフォームド・コンセントを支援する共同研究を開始した。標準的な内容の説明をロボットに任せることで、医師は患者の状況に合わせた説明に集中できる。

» 2019年04月12日 15時00分 公開
[MONOist]

 エクスウェアは2019年3月26日、AI(人工知能)とヒト型ロボット「Pepper」を用いてインフォームド・コンセント(IC)を支援する「ICアシスト for Pepper」の開発に関して、聖路加国際大学と相互協力する基本合意書を締結した。

 共同研究では、Pepperを利用して医療説明の内容を標準化し、その再現性を目指す。その後、説明に対する患者の反応や理解度を数値化するシステムを構築する。これにより、患者が説明を理解して同意するまでの経過を客観的に評価可能になる。

 標準的な内容について、患者がロボットから事前に説明を受けることにより、医師は患者の反応や理解度、個々の状況に合わせた説明に集中できる。その結果、医療説明の質が向上し、時間を有効活用できる。医療機関が従来抱えていた、医師が丁寧な説明することで診察に時間がかかり、患者の待ち時間が長くなるという課題の解決が期待できる。

 ヒト型ロボットによる医療説明は、紙の説明書やタブレット、ビデオなどよりも双方向性が向上し、患者の反応をより多く引き出せる。ロボットから得た情報は、AIや機械学習、画像解析などによって分析し、患者の反応や理解度を数値化するために活用する。エクスウェアと聖路加国際大学は、この分析結果を医師へのフィードバックをはじめ、ロボットによる説明自体にも活用することを検討している。

photo 課題解決の方向性(クリックで拡大) 出典:エクスウェア
photo ロボットとAIによる医療説明の支援(クリックで拡大) 出典:エクスウェア

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