Linuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)は、大手自動車メーカーであるフォルクスワーゲン(Volkswagen)が加盟したと発表した。
Linuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)は2019年4月8日(現地時間)、大手自動車メーカーであるフォルクスワーゲン(Volkswagen)が加盟したと発表した。併せて、AGLをホストするThe Linux Foundation(LF)にも加盟したという。
AGLは、LFのオープンソースプロジェクトであり、車載情報機器やテレマティクス機器、インストルメントクラスタなどの車載ソフトウェアプラットフォームをLinuxベースで開発している。トヨタ自動車、マツダ、スズキ、デンソー、パナソニック、ルネサス エレクトロニクスがプラチナメンバーを務める他、ホンダとアマゾン(Amazon.com)がゴールドメンバーであり、シルバーメンバーとブロンズメンバーを併せて130社以上が加盟している。
フォルクスワーゲンは、AGLとLF、ともにシルバーメンバーで加盟する。AGLのシルバーメンバーにはダイムラー(Daimler)などが加盟している。また、他のAGLに加盟する自動車メーカーとしては、ブロンズメンバーの現代自動車(Hyundai Motor)、三菱自動車、スバルなどがある。
フォルクスワーゲンのLFにおけるオープンソース活動事例としては、2008年に「Linux Kernel 2.6.25」におけるCANバスのネットワーキングサブシステムの開発にコントリビュートした実績がある。これにより、デベロッパー向けの標準ソケットAPIと、SoCおよびPCスタイルCANハードウェア向けのコモンCANネットワークドライバーモデルの下地を作ったという。
フォルクスワーゲンのオープンソース スペシャリストであるOliver Hartkopp氏は「オープンソースアプローチは、クルマのライフサイクルに合ったソフトウェアの長期サポートを可能にするのに適した素晴らしいソフトウェアソリューションを提供する。顧客のために堅牢(けんろう)でセキュアなソリューションを確保するために、開発者やメンテナーと直接やりとりできるようコミュニティーと緊密に連携できればと考えている」と述べている。
なお、AGLはLinuxベースの車載ソフトウェアプラットフォーム「AGL UCB(Unified Code Base)」を提供しており、2019年3月には最新版の「UCB 7.0」を発表している。
日本のAGLメンバーでコックピットを共同開発、量産車向けの機能盛り込む
オープンソースと量産の間にあるギャップ、自動車メーカー5社が協力して埋める
トヨタ自動車が車載Linux「AGL」を車載情報機器に全面採用、「他社も続く」
オープンソースの音声認識APIを特徴とする車載Linuxの最新版を発表
車載Linuxの最新版「UCB 6.0」を発表、テレマティクスなどのプロファイルを追加
リアルタイムOSがAutomotive Grade Linux対応ソリューションを拡充Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
モビリティの記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム