車載Linuxの最新版「UCB 6.0」を発表、テレマティクスなどのプロファイルを追加 : 車載ソフトウェア
The Linux Foundationがホストを務めるAutomotive Grade Linuxは、AGLプラットフォームの最新版「Unified Code Base(UCB) 6.0」を公開した。テレマティクス、インストゥルメントクラスター向けのデバイスプロファイルを追加している。
The Linux Foundationは2018年10月15日、同団体がホストを務めるプロジェクト「Automotive Grade Linux(AGL)」が、AGLプラットフォームの最新版「Unified Code Base(UCB) 6.0」を公開したと発表した。新たに、テレマティクスとインストゥルメントクラスターを追加した。
AGLは、コネクテッドカー向けのオープンプラットフォームを共同開発するプロジェクト。AGLメンバーの多くは生産計画にUCBを組み込んでおり、例えばトヨタ自動車では、AGLベースのインフォテインメントシステムを世界中の車両に搭載している。
今回発表したUCB 6.0は、OS、ミドルウェア、アプリケーションフレームワークを含んでいる。また、テレマティクスとインストゥルメントクラスター向けのデバイスプロファイルを追加した。
UCB 6.0では、メディアプレーヤーをはじめ、チューナー、ナビゲーション、Webブラウザ、Bluetooth、Wi-Fi、HVACコントロール、オーディオミキサー、車両制御などのレファレンスアプリケーションを搭載。スタンドアロンで、コアAGLサービスレイヤーも構築できる。
IVI(車載インフォテインメント)システムとインストゥルメントクラスターディスプレイは、同時表示へ統合。後席ディスプレイを含むマルチディスプレイ機能も搭載した。SmartDeviceLinkに対応し、スマートフォンアプリの統合・アクセスが容易になった。
他に、CAN通信向けのアプリケーションサービスAPIや近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)、ID管理機能、OTA(Over The Air:無線通信利用)アップグレード機能などを有する。ルネサスやQualcomm Technologies、Intel、Texas Instrument、NXP、Raspberry Piなどの各種ハードウェアボードをサポートし、アプリケーションテンプレート付きのソフトウェア開発キット(SDK)を提供する。
トヨタ自動車が車載Linux「AGL」を車載情報機器に全面採用、「他社も続く」
トヨタ自動車が車載Linux「Automotive Grade Linux(AGL)」を用いた車載情報機器の全面採用を決めた。2017年夏発売の新型「カムリ」の車載情報機器にAGLを採用していたが、これを今後発売する全ての新型車に広げていくことになる。
メルセデスベンツの商用車部門が車載Linuxを採用、ソリューション開発の効率化図る
Mercedes-Benz(メルセデスベンツ)ブランドの商用車部門であるMercedes-Benz Vansは、商用車の次世代サービス向けにOS(基本ソフト)として車載Linux「Automotive Grade Linux(AGL)」を採用する。2018年内に実証実験ベースで取り入れる。クラウドと連携した物流の効率化など、顧客に合わせたソリューションを迅速に開発できるようにする。
オープンソースと量産の間にあるギャップ、自動車メーカー5社が協力して埋める
車載インフォテインメントシステム(IVI)をレゴブロックのように組み合わせながら開発できたら――。Linuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)が開発者向けイベント「Automotive Linux Summit」を開催。3日目の基調講演では、マツダの後藤誠二氏が、自動車メーカー5社で共同開発している”IVIのためのオープンハードウェア”について紹介した。
車載Linux「AGL」の本格採用を始めるトヨタ、特許リスクも見据える
Automotive Grade Linux(AGL)の開発者向けイベント「Automotive Linux Summit 2017」の基調講演に、トヨタ自動車の村田賢一氏が登壇。トヨタ自動車におけるAGL関連の開発活動や、AGLの初採用車両となる新型「カムリ」との関係について語った。また、今後の採用拡大時に課題になる特許リスクについても指摘した。
車載Linux「AGL」が音声認識と車両クラウド間接続にフォーカス
車載システム向けLinuxの共同開発プロジェクトAutomotive Grade Linuxは、音声認識にフォーカスしたSpeech EGと、車両クラウド間接続にフォーカスしたV2C EGという2つのエキスパートグループを発足した。
リアルタイムOSがAutomotive Grade Linux対応ソリューションを拡充
Green Hills Softwareは、同社のRTOS「INTEGRITY」用の仮想化機能「INTEGRITY Multivisor」と、主要な64ビット・オートモーティブグレードSoCに搭載するAutomotive Grade Linux(AGL)向けの開発ツールを提供開始した
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