「フォルシア クラリオン エレクトロニクス」発足、3社統合でコックピット強化製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

» 2019年04月03日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
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フォルシアのコックピットの重要性

 コックピットはフォルシアにとって高い収益力を生むための成長戦略の1つ。インフォテインメントシステムでさまざまなサービスを統合して差別化を図る。また、乗員のモニタリングとADASなど車両制御システムを統合することによって、乗員の健康維持、増進も含めた快適性の向上を実現する。没入感のある音響やノイズキャンセリングなど次世代オーディオ技術によって車内のさまざまな過ごし方を提供し、“カーオーディオの復活”も狙う。「コックピットは2030年に810億ユーロ(約10兆960億円)の市場規模が見込まれている。もう1つの成長戦略と位置付けるのは“サステナブルモビリティ”だが、クラリオンはその両方につながる技術を持つ」(コラー氏)。

 これに向けてフォルシア クラリオン エレクトロニクスでは、さまざまなコックピットソリューションをシームレスに統合するコックピットドメインコントローラーや、車内外の画像センサーを統合処理するビジョンドメインコントローラーを開発する。

パロット、コエージェントとの分担は

 フォルシア クラリオン エレクトロニクスに合流するパロットとコエージェントは、コックピットに必要なソフトウェア技術や開発手法を強化する役割を果たす。インフォテインメントシステムに関しては、パロットはOSにアンドロイドを使った開発に強みを持つ。コエージェントはアジャイル開発に取り組んでおり、「要求の厳しい中国自動車メーカーと仕事をしている。中国自動車メーカーとうまくやっていけることは他の市場でも成功につながる」(川端氏)。また、フォルシアが買収した北欧のオーディオ会社CREOもフォルシア クラリオン エレクトロニクスの一員となり、オーディオ技術の開発に参加する予定だ。

 取引先や保有技術、製品は、フォルシア クラリオン エレクトロニクスに合流する企業間で補完関係にあるという。パロットは欧州自動車メーカーや新興メーカーが、コエージェントは中国自動車メーカーが取引先だ。技術面では、フォルシア クラリオン エレクトロニクスの全体を見る責任者を置くが、「分野や市場に応じて、コエージェントやパロットのメンバーがリーダーシップをとる」(川端氏)という考えだ。

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