「フォルシア クラリオン エレクトロニクス」発足、3社統合でコックピット強化:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
コックピットはフォルシアにとって高い収益力を生むための成長戦略の1つ。インフォテインメントシステムでさまざまなサービスを統合して差別化を図る。また、乗員のモニタリングとADASなど車両制御システムを統合することによって、乗員の健康維持、増進も含めた快適性の向上を実現する。没入感のある音響やノイズキャンセリングなど次世代オーディオ技術によって車内のさまざまな過ごし方を提供し、“カーオーディオの復活”も狙う。「コックピットは2030年に810億ユーロ(約10兆960億円)の市場規模が見込まれている。もう1つの成長戦略と位置付けるのは“サステナブルモビリティ”だが、クラリオンはその両方につながる技術を持つ」(コラー氏)。
これに向けてフォルシア クラリオン エレクトロニクスでは、さまざまなコックピットソリューションをシームレスに統合するコックピットドメインコントローラーや、車内外の画像センサーを統合処理するビジョンドメインコントローラーを開発する。
フォルシア クラリオン エレクトロニクスに合流するパロットとコエージェントは、コックピットに必要なソフトウェア技術や開発手法を強化する役割を果たす。インフォテインメントシステムに関しては、パロットはOSにアンドロイドを使った開発に強みを持つ。コエージェントはアジャイル開発に取り組んでおり、「要求の厳しい中国自動車メーカーと仕事をしている。中国自動車メーカーとうまくやっていけることは他の市場でも成功につながる」(川端氏)。また、フォルシアが買収した北欧のオーディオ会社CREOもフォルシア クラリオン エレクトロニクスの一員となり、オーディオ技術の開発に参加する予定だ。
取引先や保有技術、製品は、フォルシア クラリオン エレクトロニクスに合流する企業間で補完関係にあるという。パロットは欧州自動車メーカーや新興メーカーが、コエージェントは中国自動車メーカーが取引先だ。技術面では、フォルシア クラリオン エレクトロニクスの全体を見る責任者を置くが、「分野や市場に応じて、コエージェントやパロットのメンバーがリーダーシップをとる」(川端氏)という考えだ。
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日立製作所は2018年10月26日、東京都内で決算会見を開き、フランスの大手サプライヤーであるフォルシア(Faurecia)にクラリオンを899億円で売却すると正式に発表した。日立グループの自動車ビジネスにおいて、注力事業の選択と集中を進める一環でクラリオンの売却を決めた。
- 離れた場所のクルマを無人運転で呼び出し、NVIDIAが期待されていることは
クラリオンは、NVIDIAのユーザーイベント「GTC 2019」(2019年3月19〜21日、米国カリフォルニア州サンノゼ)において、遠隔出庫システムのデモンストレーションを実施した。スマートフォンの専用アプリを操作すると、離れた場所に駐車している車両を無人運転で呼び出せるシステムだ。車両は各種センサーで周辺を監視しており、自動で路上の障害物をステアリング操作で避けたり、前方を横断する歩行者を検知すると停止したりする。
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デンソー、富士通、トヨタ自動車は、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転技術、電子基盤技術の開発力を強化するため、3社が出資する富士通テンの資本構成の変更を検討することで基本合意した。富士通テンの出資比率は、デンソー51%、トヨタ自動車35%、富士通14%となり、富士通テンの親会社は富士通からデンソーに変わる見込みだ。
- 同時定位を実現する「ダブルツィーター」、運転席と助手席の目の前が演奏空間に
デンソーテンは、トヨタ自動車と共同で、同社の販売店装着オプションである「ハイレゾ対応サウンドパッケージ(プレミアムダブルツィーターシステム)」を開発したと発表した。
- 音声認識に視線や感情、眠気検知を組み合わせ、より柔軟なエージェントに
Nuance Communications(ニュアンス)は、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2019」(2019年1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガス)において、カメラによる視線検知と音声認識技術を組み合わせた開発中の新機能を披露した。開発技術は、POI(Point of Interest)検索やストリーミングサービス、リアルタイムな情報を得る場合にはクラウド連携が必要だが、それ以外については車載情報機器側で処理が終えられるという。
- 車両1台で2万円のコスト削減、パナソニックの仮想化活用Androidコックピット
パナソニックは、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2019」(2019年1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガス)において、1つのSoC(System on Chip)でメーターやセンターコンソールのディスプレイ、サラウンドビュー、リアシート向けのエンターテインメントを動作させるコックピットドメイン制御プラットフォーム「SPYDR 2.0」を発表した。
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