クラリオンとフォルシア(Faurecia)は2019年4月2日、東京都内で記者会見を開き、クラリオンがフォルシアの4つ目の事業部となることを発表した。「フォルシア クラリオン エレクトロニクス」という名称で、コックピットや低速域の先進運転支援システム(ADAS)のグローバルリーダーを目指す。
クラリオンとフォルシア(Faurecia)は2019年4月2日、東京都内で記者会見を開き、クラリオンがフォルシアの4つ目の事業部となることを発表した。「フォルシア クラリオン エレクトロニクス」という名称で、コックピットや低速域の先進運転支援システム(ADAS)(※)のグローバルリーダーを目指す。フォルシアは4つ目の事業部を持つことにより、売上高を2018年の175億ユーロ(約2兆1800億円)から2025年に300億ユーロ(約3兆7400億円)に増やす計画だ。
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クラリオンという社名は登記上で残るものの、実質的にはフォルシア クラリオン エレクトロニクスとして事業活動を行う。クラリオン 代表取締役社長の川端敦氏は、フォルシア クラリオン エレクトロニクスの責任者であるExecutive Vice Presidentに就任し、フォルシア本体のExecutive Committeeの一員となる。川端氏の下にはDuputy Executive Vice Presidentとして、フォルシアのインテリア事業部でFinance Vice Presidentを務めたJean-Paul Michel氏が常勤する。
フォルシア クラリオン エレクトロニクスには、フォルシアの完全子会社であるフランスのパロットオートモーティブ(Parrot Automotive、以下パロット)と、子会社である中国のコエージェントエレクトロニクス(Coagent Electronics、以下コエージェント)も合流し、インフォテインメントシステムの開発を強化する。コエージェントを完全子会社化した上で、パロットとコエージェントの社名、ブランドは消滅する。
フォルシアは2018年10月にクラリオンを買収する計画を発表。2019年3月にクラリオンはフォルシアの完全子会社となり、東京証券取引所への上場も廃止した。日立製作所と日立オートモティブシステムズは、自動車に関する事業の選択と集中を進め、車両の制御技術にリソースを集中させる取り組みの一環でクラリオンを手放した。
フォルシア クラリオン エレクトロニクスは、クラリオンとパロット、コエージェントの3社を統合した事業部で、人員は859人のソフトウェアエンジニアを含む9200人となる。技術者はフォルシア クラリオン エレクトロニクス全体で1650人だという。現在の売上高は約15億ユーロ(約1800億円)だが、2022年までに20億ユーロ(約2400億円)に拡大する計画だ。フォルシア CEOのパトリック・コラー(Patrick Koller)氏は「欧州、北米自動車メーカー向けビジネスの力強い成長、中国自動車メーカーとのリーダーシップにより、成長をけん引する」と語った。
フォルシアの4つ目の事業部として担う領域は、コックピットと低速域のADAS、商用車ユーザーの事業者向けビジネスとなる。フォルシアには既にインテリア事業部が存在するが、インストゥルメントパネルやドアパネル、センターコンソール、空調システムが主体となる。これに対しコックピットは、インフォテインメントシステム、オーディオの次世代技術、乗員のモニタリングによるパーソナライゼーションなどが該当し、エレクトロニクスやソフトウェアが特に重要な役割を果たす。
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