これとは別に、アプリケーションのコンテナ化は昨今では当たり前の様に求められる(図10)し、Quick Startのためのさまざまな配慮も必要である(図11)が、そうしたものへの対応も用意される。
Pelionとの連携を当初から想定しているので、これを利用してのデバイスの集中管理ももちろん可能としている(図12)。デバイス管理側からすれば、Mbed OSとMbed Linux OSは同じように管理できる(図13)とする。
Armによるユースケースがこちら(図14)。一応、バッテリー駆動型デバイスもあり得るが、どちらかといえば別途電源を必要とする非バッテリー駆動型デバイスが中心になる。「Cortex-M」でもできなくはないが、より性能が欲しいところにCortex-Aを、というニーズに対処するのがMbed Linux OSという位置付けである。
ということで冒頭の話に戻る。ここまで説明してきたように、Mbed Linux OSはCortex-A向けに特にセキュリティ面を強化したMbed Client(というと、Arm方面から突っ込みが入りそうではあるが、アプリケーションプログラマーからすればそんな感じだろう)とでもいうべきものだ。しかし、あえてこれをArmが提供したのは、Cortex-Aに関してもPSA Certifiedの認証をスタートしているからで、現時点でも既にNXP Semiconductorsの「i.MX 7/i.MX 8」合わせて5製品がPSA Certified Security Level 1を取得している。
ただしチップがPSA Certifiedを取得しており、かつArmが提供するTrusted Firmwareを利用したとしても、その上で動くOSやアプリケーションがきちんとセキュリティに対応していなければ意味が無い。このため、OSとしてMbed Linux OS(現時点ではまだPSA Certifiedを取得していないが、Mbed OSは既に取得済なので、恐らくMbed Linux OSも正式公開時には取得すると思われる)を提供するとともに、この上でセキュアなアプリケーションを構築することで、全体としてPSA Certifiedを取得できるようにしよう、という壮大な計画の一環であると考えられる。
予定では2019年第1四半期中にMbed Linux OSは一般公開される(GitHub経由での公開、との話である)はずだったが、招待ベースでの限定公開にとどまっている。現時点(2019年3月11日時点)ではまだ正確な一般公開の時期は公表されていない。
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