MathWorksは、MATLAB、Simulinkに航空宇宙設計向けの新しい飛行解析、可視化機能を追加した。R2018bでの機能追加により、開発者は設計精度を高く保ち、かつ多くの規制や標準に対応しながらも、迅速に航空宇宙機の開発を進めることができる。
MathWorksは2019年1月17日、モデルベース開発環境「MATLAB/Simulink」に航空宇宙設計向けの新しい飛行解析、可視化機能を追加したことを発表した。
最新版の「Release 2018b(R2018b)」では、航空宇宙機の運動のモデリングやシミュレーションができる「Aerospace Blockset」に、飛行制御解析ツールが加わった。同ツールは、航空宇宙機の動的応答を高度に解析するもので、初期使用時に役立つテンプレートを備える。また、Simulinkでモデリングされた機体の飛行特性の演算や解析を実行できる関数を含んでいる。
また、「Aerospace Toolbox」には、標準的なコックピット計器を用いて測定値を表示する飛行計器を追加。コックピットの飛行計器に対応するユーザーインタフェースをカスタマイズする機能により、航空宇宙機の運動を可視化して、解析できるようになった。
航空宇宙機の設計に当たっては、厳しい規制に対応し、MIL-F-8785CやDO-178B、DO-178Cなどの標準に準拠する必要がある。今回、Simulink環境から直接、飛行シミュレーションや可視化、解析が可能になったため、エンジニアはモデルやコードを管理しやすくなる。また、開発チーム全員や請負業者との間でモデルを共有し、要件を満たしているかを確認できる。
これらの機能追加により開発者は、設計精度を高く保ち、かつ多くの規制や標準に対応しながら迅速に開発を進めることができる。
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