モデルベース開発環境の最新版、予知保全アルゴリズムの設計が容易に組み込み開発ニュース

MathWorksは、数値計算ソフトウェア製品ファミリーの「MATLAB」「Simulink」にさまざまな新機能を追加した「Release 2018a」を発表した。予知保全アルゴリズムの設計やテストを実施するToolboxなど、94製品が含まれている。

» 2018年04月05日 08時00分 公開
[MONOist]

 MathWorksは2018年3月15日(現地時間)、数値計算ソフトウェア製品ファミリーの「MATLAB」「Simulink」にさまざまな新機能を追加した新バージョン「Release 2018a」を発表した。予知保全アルゴリズムの設計やテストを実施する「Predictive Maintenance Toolbox」、自動車の運動をシミュレーションする「Vehicle Dynamics Blockset」の他、アップデートやバグフィクスが行われた94製品が含まれている。

 数値計算や解析を行うMATLAB製品ファミリーは、インタラクティブなスライダーおよびドロップダウンメニューの操作などのUIの改良や各種Toolboxの機能の追加、ディープラーニング(深層学習)およびデータアナリティクスの機能強化が行われている。

 ディープラーニングでは、「Computer Vision System Toolbox」にセマンティックセグメンテーションの個々のピクセルの自動ラベル付け機能が追加された。「Neural Network Toolbox」には、TensorFlow-Kerasで設計されたディープラーニング層およびネットワークをインポートするためのサポートパッケージの追加が行われている。「GPU Coder」では、有向非循環グラフトポロジーを使用するネットワークや学習済みのネットワークのためのCUDAコードを生成。また、IntelおよびArmプロセッサ上のディープラーニングネットワークのためのCコードも生成できる。

 データアナリティクスでは、「Text Analytics Toolbox」で、マルチワードフレーズ抽出やセンテンスやURLなどの検出が可能となった。「Predictive Maintenance Toolbox」では、状況の監視や予知保全アルゴリズムの設計やテストを行える。

 シミュレーション実行やコード生成を行うSimulink製品ファミリーでは、車両運動を仮想3次元環境でモデル化およびシミュレーションするVehicle Dynamics Blocksetを追加。また「Automated Driving System Toolbox」には、運転シナリオを対話的に定義できる「Driving Scenario Designer」アプリが追加された。さらに「Model Predictive Control Toolbox」には、車間距離制御装置や車線逸脱防止アルゴリズムの設計などに利用できるADASブロックを用意。「Vehicle Network Toolbox」ではSimulinkでのCAN FDプロトコルのサポートなど、車両データとの接続性が強化されている。

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