超高温用グリスを封入した軸受、300℃までの使用に耐えるFAニュース

ジェイテクトは、特殊環境用EXSEV軸受シリーズに、300℃までの使用に耐える超高温用グリスを封入した軸受を追加した。寿命が従来の固体潤滑軸受と比べて6倍と長く、耐熱性と耐久性が求められる設備のメンテナンスコストを抑える。

» 2019年01月04日 07時00分 公開
[MONOist]

 ジェイテクトは2018年12月6日、特殊環境用EXSEV軸受シリーズに、超高温用グリスを封入した軸受を追加した。同月より量産を開始し、年間2000万円の売り上げを目指す。

 新開発の軸受は、蒸発しにくい基油と熱分解に強い増ちょう剤を組み合わせたグリスが封入されており、300℃までの使用に耐える。また、従来の固体潤滑軸受と比較して寿命が6倍に延びたため、半導体製造装置など耐熱性が求められる設備のメンテナンスコストを抑え、作業効率を向上する。

 近年、半導体製造プロセスの短縮化に伴い、製造装置内が高温になる傾向がある。従来のグリスは、高温下では油分の蒸発が増え、増ちょう剤が熱分解して使用できなくなるため、200℃以上では、固体潤滑剤を使用していた。しかし、固体潤滑剤は寿命が短くメンテナンスの手間やコストがかかることから、耐熱性と耐久性を備えた特殊環境用軸受の開発が求められていた。

photo 超高温用グリス封入軸受イメージ図 出典:ジェイテクト
photo 固体潤滑軸受と超高温用グリス封入軸受の焼き付き寿命比 出典:ジェイテクト

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