高精度X線CTに測定データ一元管理――カールツァイスの検査ソリューションJIMTOF2018

Carl Zeiss(カールツァイス)は「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」(2018年11月1〜6日、東京ビッグサイト)において、同社の工業用X線CTや測定データ管理ソリューションなどを訴求した。

» 2018年11月07日 15時00分 公開
[松本貴志MONOist]

 第29回を数えた2018年の「日本国際工作機械見本市(JIMTOF)」(2018年11月1〜6日、東京ビッグサイト)。今回のJIMTOFもさまざまな工作機械たちが勢ぞろいし、多くの来場者を迎えた。

 光学や測定分野で高い技術を有するCarl Zeiss(カールツァイス)もJIMTOFにブースを構え、同社の工業用測定機や測定データ管理ソリューションなどを展示していた。そこで、ブースで紹介された同社製品の中でも特徴的だったものを紹介したい。

JIMTOFに出展したカールツァイスのブース(クリックで拡大)

“測定器”をうたう高精度な工業用X線CT「ZEISS METROTOM」

 非破壊検査や非接触測定、リバースエンジニアリングなどといった各種用途でニーズに高まりを見せている工業用X線CT。ワークにX線を照射させることでワークの透過画像を取得し、CTでワーク内外の寸法や構造を確認できる技術だ。カールツァイスも工業用X線CTを製造するメーカーの1社で、多様な製品を取りそろえている。

 そのラインアップの中でも、寸法測定や公差評価、非破壊での内部観察を高精度に実行できる製品が「ZEISS METROTOM」シリーズとなる。同シリーズはドイツ工業規格「VDI/VDE 2630」に準拠してCTの精度確認を行っており、「世界で初めて寸法精度を保証した工業用X線CT」(同社担当者)となったことが特徴だ。

METROTOM 800 225kV HRの外観イメージ(クリックで拡大) 出典:カールツァイス

 同シリーズは最大管電圧130kV、最大管電流300μAの「800 130kV」と、最大管電圧225kV、最大管電流3000μAの「800 225kV HR」「1500 225kV」の3機種をラインアップ。測定範囲と最大ワーク重量は800 130kVと800 225kV HRが直径150×高さ170mm(縦向き撮影の場合)で5kg、1500 225kVが直径305×高さ260mmで50kgとなる。寸法測定誤差は800 130kVが6.9μm+L(測定寸法)/100、800 225kV HRが8μm+L/100、1500 225kVが9μm+L/100としている。

他社製測定器やデジタルノギスでもOK! 測定データ管理ソリューション

 カールツァイスでは、品質管理業務に関わるデータを一元管理できるソリューション「ZEISS PiWeb」も提供中だ。同社製に限らず他社製の測定器やデジタルノギスなどの手動測定器にも対応しており、PiWebにこれら機器から収集された測定データやユーザー管理情報などがリアルタイムに集約され、データ分析やレポーティングを支援する。

 レポーティング機能として、CAD図面と測定データの協調表示、異なる測定器から得られたデータの同時出力、グラフ出力支援、多様な統計ツールなどを備える。

ZEISS PiWebのレポーティング画面(クリックで拡大)

 PiWebは単独稼働するワークステーションの他、ネットワーク上のサーバでも稼働することが可能。ネットワーク構成で稼働する場合は、SQL Serverなどのデータベースシステムと連携して複数拠点からデータを集約でき、同社製に限らず他社製の測定器やデジタルノギスなどの手動測定器にも対応する。

 今後、PiWebのクラウドサービスとスマートフォンアプリの開発を進めており、「クラウドサービスは1年以内の提供を目指す。スマートフォンアプリはローカル環境、クラウド環境問わずにデータを確認でき、もうすぐリリースする予定だ」(同社担当者)としている。

ZEISS PiWebスマートフォンアプリのデモ画面(クリックで拡大)

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