クラリオンは「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、幕張メッセ)において、LINE botを通じて観光客が観光ルートの選択からカーナビゲーションシステム(カーナビ)の設定までを完了できるサービスを紹介した。
クラリオンは「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、幕張メッセ)において、LINE botを通じて観光客が観光ルートの選択からカーナビゲーションシステム(カーナビ)の設定までを完了できるサービスを紹介した。同サービスは、石川県加賀市の加賀温泉郷において、2018年10月12日〜2019年3月31日の期間で実証実験として提供している。LINE botを使ったサービスにより、外国語での案内を充実させるとともに、ドライブルートの計画やカーナビの設定を簡易にし、観光客の満足度や利便性を向上する。
加賀市観光交流機構と山代温泉観光協会、山中温泉観光協会、片山津温泉観光協会と協力して実証実験を実施している。加賀温泉郷は、訪日外国人を含め観光客が増加しており、ドライブプランの相談なども増えている。
同サービスでは、LINE botの質問に対し、提示された選択肢から選んで回答するだけで、見て回る観光スポットの選定やカーナビの設定が完了する。観光客は、加賀温泉郷が用意したLINEのアカウントと友達になるだけで利用を開始できる。観光地独自のスマートフォンアプリではなく、日常的に使われているLINEをサービスの入り口とし、使い始めやすいことを重視した。
まずは、日本語、英語、中国語、韓国語から言語を選択。これは、カーナビ本体の表示言語の設定とも連動する。その後、ユーザーである観光客は、宿泊地、旅のメンバーが家族なのか友人なのか、「温泉を楽しみたい」「自然に触れたい」「地元のおいしいものを食べたい」といった旅の目的を回答すると、数カ所の観光スポットが提案される。それらを目的地として決定すると、カーナビの目的地設定が完了する。レンタル用の超小型EV(電気自動車)の予約まで終えることができる。実際に観光スポットを周遊する時には、目的地の情報などをLINEの画面上で見ることが可能だ。
クラリオンは市販向けのカーナビで、スマートフォンで設定した目的地をカーナビ本体に転送する機能を導入しており、今回の実証実験のサービスでもその機能をベースにした。同サービスの開発期間は1カ月程度だったという。LINE botの回答シナリオは各観光協会の協力のもとで策定した。
クラリオンは、今後もエリアを絞った観光地などを対象に、同様のサービスを展開したい考えだ。「エリアを広げすぎるとユーザーに提案する目的地の数が増えすぎてしまうため、地元の人のおすすめとして紹介できる規模の方が向くだろう」(クラリオンの説明員)。LINE以外のメッセージアプリのチャットbotとカーナビを連携させることも技術的なハードルは低いという。
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