3次元細胞解析技術を搭載したソフトウェアを発売、創薬プロセスの効率化に期待医療機器ニュース

オリンパスは、科学事業の新技術として開発した3次元細胞解析技術を搭載したソフトウェア「NoviSight」の導入、発売を米国で開始した。開発リスクの低減や創薬プロセスの効率化が期待できる。

» 2018年09月26日 15時00分 公開
[MONOist]

 オリンパスは2018年9月10日、科学事業の新技術として開発した3次元細胞解析技術を搭載したソフトウェア「NoviSight」を米国で導入・発売した。3次元モデルを用いた細胞試験を正確に解析でき、開発リスクの低減や創薬プロセスの効率化が期待できる。

 NoviSightは、共焦点レーザー走査型顕微鏡「FV3000」シリーズなどと組み合わせて使用する。薬効によるスフェロイド内1つ1つの細胞の変化だけでなく、3次元で塊状のスフェロイドを観察・解析して、薬剤による細胞の生死や生存比率などを定量的に評価できる。

 がん治療薬の検討時には、3次元で薬剤による細胞の生死を認識して生存率などを解析し、がん細胞をどれだけ死滅させたか、成長をどれだけ抑制できたかを評価できる。細胞構造がヒトの生体環境に近いスフェロイドで試験を行うことにより、治験の前段階で高精度の結果を得ることが期待されている。

 また、多数のサンプルを培養できるマイクロプレートを用いて多くのスフェロイドを一括して解析・測定するため、使用する薬剤の種類や濃度の条件を変えた際の薬効を容易に比較できる。

 操作時のインタフェースは自由にレイアウトでき、生存率の分布図やヒートマップ、グラフなどの解析結果と観察画像をひも付けて確認できる。見やすい形でユーザーの知りたい情報を提供することで、効率的な作業に貢献する。

photo 「FV3000」と「NoviSight」 出典:オリンパス
photo 3次元細胞モデルの例「スフェロイド」 出典:オリンパス
photo 「NoviSight」のインタフェース 出典:オリンパス

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