「セキュアクラウド」では、グローバルと日本とも、ヘルスケア業界と政府が定めるコンプライアンス認定を取得している。内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の政府統一基準レファレンスで最上位の「CS Gold」を取得しているクラウドベンダーは、日本マイクロソフトだけだ。きりんカルテシステムやシーエスアイといった電子カルテベンダー、シーメンスヘルスケア、富士フイルムなどの医療機器メーカーにも採用されている。
「ワークスタイルイノベーション」では、Microsoft 365などによる院内業務の効率化で貢献している。会見では、済生会熊本病院による「Microsoft Teams」や「Microsoft Forms」による業務効率化事例を紹介。会見に登壇した済生会熊本病院 院長の中尾浩一氏は「当院は2020年までの中期ビジョンとして『世界水準の医療を提供する』を掲げている。そのための、高品質な医療を効率的に提供する働き方改革に、Microsoft Teamsなどが大変役立っている」と説明する。
「アドバンストテクノロジ」では、AI(人工知能)やMR(複合現実)といった先進技術を、医療行為(Clinical)と医療業務(Operational)の両面で展開している。例えば、世界で約8000人が所属するマイクロソフトのAI研究チームが手掛ける、CTやMRIの2D画像を3D化する「InnerEye」は、医療画像解析を行うIRIS(Intelligent Retinal Imaging Systems)が糖尿病網膜症の早期発見に活用している。MRでは、内科医の研修や手術シミュレーション、タンパク質解析システムと連携した創薬などで、同社のMRヘッドセット「HoloLens」が用いられているという。
大山氏は「ヘルスケアのデジタル化、クラウド化は当社だけでは実現できない。賛同パートナーとの協調が必要不可欠だ。2018年度は賛同パートナーとともに、1年間で100件の新ソリューションを生み出したい。また2018年10月には、ヘルスケア分野でのより横断的な活動を推進するデジタル推進室を設置する。日本の医療に寄り添った活動を強化していきたい」と述べている。
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