IDC Japanは2018年8月15日、コネクテッドカー関連のサービスの収益化について調査結果を発表した。自動車メーカーが安心安全を訴求するサービスに付加価値を持たせていくことが、収益化への近道であることが分かった。また、効率や快適性に関するサービスでは、ターゲット顧客層を明確に設定することが収益機会を高めるとしている。
IDC Japanは2018年8月15日、コネクテッドカー関連のサービスの収益化について調査結果を発表した。自動車メーカーが安心安全を訴求するサービスに付加価値を持たせていくことが、収益化への近道であることが分かった。また、効率や快適性に関するサービスでは、ターゲット顧客層を明確に設定することが収益機会を高めるとしている。
調査では、有償で契約する意向の強さを「需要レベル」、最適な価格をどのように捉えるかを「価値認識レベル」として分析した。その結果、安心安全な運転のサポートや車両の故障診断といったサービスは、需要レベルと価値認識レベルの両方が高かった。生活や仕事に関連する作業のサポートは、需要レベルが低いものの、価値認識レベルが高いという結果だった。
自家用車を月に数回以上運転し、かつコネクテッドカーに興味があり購入や利用を検討するという人を対象に調査を実施した。その結果、生活関連作業サポートは最適価格が月額409円、有償でも契約を検討するという回答(以下、需要)は9.4%だった。仕事関連作業サポートは月額388円で需要が11.0%、インフォテインメントは月額322円で需要が14.0%だった。車両診断は最適価格が月額416円で需要が22.4%、運転上の安心安全サポートは月額419円で需要が34.2%、効率の良い移動サポートが月額367円で需要が27.2%となった。
高価格モデルの購入者は、オフィスや家庭でインターネットを使ってやっている作業を車内でも効率よく行えるようにするサービスの価値認識レベルが高かった。こうしたユーザーをターゲットにすることで、運転中にドライバーの予定を調整、設定するようなパーソナルアシスタントサービスの収益機会が期待できるとしている。
これらの調査を踏まえ、ITサプライヤーは自動車メーカーが着手していないか、開発途上にあるソリューションを提案し、自動車メーカーの収益に貢献するシナリオを策定すべきだとしている。具体的には、価値認識レベルの高いサービスの進化の方向性を見定め、車両診断を発展させた故障予知や、人間のオペレーターがドライバーとやりとりするヘルプサービスを人工知能(AI)によって強化することなどが必要だという。
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