リコー、農業・食品産業技術総合研究機構、ファスマックは、バイオプリンティング技術を用いて、DNA分子の絶対数を1個単位で制御したDNA標準物質の製造に成功した。
リコーは2018年6月4日、バイオプリンティング技術を用いて、DNA分子の絶対数を1個単位で制御したDNA標準物質の製造に成功したと発表した。農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)、日本製粉グループのファスマックとの共同研究になる。
DNA標準物質とは、成分の含有量が明確にされた測定の基準となる物質。これまで標準物質を製造する際に、DNA分子の数を個数単位で制御できていなかった。
リコーは、インクジェット技術を活用したバイオプリンティングの要素技術として、細胞を安定的に吐出できるヘッドや吐出した液滴中の細胞数をカウントする技術を開発してきた。リコーらは今回、そうしたバイオプリンティング技術を用いて、ターゲット遺伝子配列を組み込んだ遺伝子組み換え酵母を、1個単位で決まった数だけDNA標準プレート上のくぼみに分注。特定の遺伝子配列のDNA分子が所定の数だけ入ったDNA標準物質の製造に成功した。
今回開発された製造法で作られたDNA標準物質を使用すれば、遺伝子検査装置、試薬、遺伝子検査手法の精度をこれまでよりも厳密に管理できるようになるという。
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