日本電産ASIは、電気自動車(EV)向けの超急速充電システム「ウルトラファストチャージャー」を開発した。現在の急速充電器では80%まで充電するのに30分以上かかるが、開発したシステムは標準的なEVのバッテリーを15分以下で80%まで充電できるようにする。配電網への負荷を抑え、EV普及後の停電のリスクを軽減する。
日本電産子会社の日本電産ASIは2018年6月5日、電気自動車(EV)向けの超急速充電システム「ウルトラファストチャージャー」を開発したと発表した。現在の急速充電器では80%まで充電するのに30分以上かかるが、開発したシステムは標準的なEVのバッテリーを15分以下で80%まで充電できるようにする。配電網への負荷を抑え、EV普及後の停電のリスクを軽減する。
ウルトラファストチャージャーは、既存の配電網と充電スタンドの間の緩衝機能として動作する。容量160kWhの蓄電池と電力制御システムで構成されており、低中圧の既存の配電網と接続できる。出力320kWでEVを充電しても電力網の負荷は50kWとなり、配電網の6倍を超える電力を供給するという。また、既存の配電網以外にも太陽光発電など再生可能エネルギーの電力による充電が可能で、EVから配電網への供給にも対応する。
日本電産ASI(旧社名AnsaldoSistemi Industriali)は2012年6月に日本電産の傘下に入った。電力エネルギー分野で160年の歴史を持ち、蓄電システムの納入実績は合計で500MWhに上る。本社のあるイタリアを中心に、124カ所の太陽光発電プラントにインバーターなど電源モジュールを納入している。
既存の急速充電規格も高出力化を計画している。自動車メーカーが走行距離延長のためバッテリーの容量を拡大したEVを開発しており、より短時間で急速充電する必要が出てくるためだ。CHAdeMO規格は現在、最大出力が50kWだが、150kW級まで拡大するため検証を進める。使用電流値はCHAdeMO、Combined Charging System(コンボ、CCS)ともに最大で400Aとすることで合意した。
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