キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2018年5月21日、米国スタートアップのVantiqとの間で、同社の次世代アプリケーション開発プラットフォーム「VANTIQ(バンティック)」の販売パートナー契約を締結したと発表した。同年6月1日から販売を始める。
キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2018年5月21日、米国スタートアップのVantiqとの間で、同社の次世代アプリケーション開発プラットフォーム「VANTIQ(バンティック)」の販売パートナー契約を締結したと発表した。キヤノンITS独自開発の「PlatSquare(プラットスクエア)」やEdgecrossコンソーシアムが主導する「Edgecross(エッジクロス)」といったエッジプラットフォームとの連携により、IoT(モノのインターネット)で実現する新たな価値を短期構築できるツールとして提案していく方針。同年6月1日から販売を始める。
VANTIQは、不規則に発生する大量のイベントをリアルタイムに人のアクションに結び付けるアプリケーションの開発が可能な、イベントドリブン型のアプリケーション開発プラットフォームである。
また、分散アーキテクチャの採用により、IoTを構成する複数のエッジノードやモバイル端末にアプリケーションを分散させてシステムを構築できる。それらの数を要求に合わせて増やすことも容易だ。例えばPoC(概念実証)の段階から、実運用への移行をスムーズに進めることができる。GUIベースでコーディングレスのアプリケーション開発も特徴の1つだ。
VANTIQの最大の特徴となるのが「マン・マシン・コラボレーション(人と機械の協業)」である。VANTIQは、スマートフォン向けアプリを標準で用意しており、機械で起こったことをスマートフォンアプリを介して人に通知することが容易だ。「機械による自動化以上に、人が判断することを重視しているのがVANTIQだ」(キヤノンITS)という。
VANTIQの採用事例としては、予実の合わせ込みが難しいMES(製造実行システム)や、ERPと連携しての偽物対策、モバイルバッテリーレンタルサービスのスマートキオスクなどがある。
キヤノンITSは、IoT活用を進める上で良質な入力データが必要と考え、2016年からエッジコンピューティングに着目してきた。製鉄所をはじめ広く採用されているLinuxベースのPlatSquareに加えて、同社も加盟するEdgecrossコンソーシアムが推進するEdgecrossも活用して入力データの品質向上に取り組む。
これらのエッジプラットフォームから得た高品質な入力データを基に、マン・マシン・コラボレーションを特徴とするVANTIQのアプリケーション開発により、工場のスマート化やセンサーやデバイスが高度に分散したIoTシステムなどの開発に向けて提案を強化していく。
販売戦略としては、VANTIQをEdgecrossのマーケットプレース上で販売する他、VANTIQの国内市場参入を支援するフィット・ワン・ホールディングスと営業協力していく。「スマートファクトリーJapan 2018」(2018年5月30日〜6月1日、東京ビッグサイト)や、「IoT Technology 2018」(2018年11月14〜16日、パシフィコ横浜)などの展示会でもアピールしていく予定だ。
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