機械学習や深層学習を活用した新たなAI機能を開発、サーボモーターを最適制御FAニュース

ファナックは、Preferred Networksと共同で、FA、ロボット、ロボマシンのそれぞれ商品に、機械学習や深層学習を適用する新たなAI機能を開発した。FA用には、容易にサーボモーター制御のパラメータを調整する機能群を開発中だ。

» 2018年05月10日 07時00分 公開
[MONOist]

 ファナックは2018年4月16日、Preferred Networksと共同で、FA、ロボット、ロボマシンそれぞれの商品に、機械学習や深層学習を適用するAI(人工知能)機能を開発したことを発表した。ロボマシン用は同年3月より出荷を開始しており、FA、ロボット用は同4月中に出荷を開始する予定だ。

 FA用には、高速加工、高精度加工、高品位加工のため、機械学習を用いて容易にサーボモーター制御のパラメータを調整する「AIサーボチューニング」機能群を開発中だ。第1弾として、機械特性を正確に表現するために高次元化したモデルに基づく「AIフィードフォワード」を提供する。機械学習をパラメータ決定プロセスに適用し、高度なフィードフォワード制御を実現した。これにより、サーボモーターの加減速時の機械振動を抑制できる。

 ロボット用には、バラ積み取り出し時に高確率で取り出しを成功させるため、同社のオープンプラットフォーム「FIELD system」上のアプリケーションとして、深層学習によるワーク取り出し順序を決定するスコアリング機能を開発した。深層学習で取り出し順番の学習をロボットが自動的に行うため、バラ積み取り出しシステムの立ち上げ時間を短縮する。また、スコアリング機能を用いることで、バラ積み機能の教示熟練者でなければ難しかった取り出し成功率を上げられる。

 ロボマシン用には、周囲の温度や機械の動作中の発熱を温度センサーで検出し、機械学習技術を活用して温度変化による熱変位を予測・補正するAI熱変位補正機能を開発。ワイヤカット放電加工機「ロボカット」用のAI熱変位補正機能に続く、ロボマシンAI第2弾として「ロボドリル」の販売を開始した。従来機能に比べ、加工精度を約40%改善。温度センサーが故障した場合でも、加工を中断せず最適な補正を継続できる。

photo 「AIサーボチューニング」 出典:ファナック
photophoto 「FIELD BASE Pro」(NVIDIA製GPU付)とバラ積みセンサー付ロボットシステム(デモ機)(左)とAI熱変位補正機能付き「ロボドリル」(右)  出典:ファナック

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