凸版印刷は、シート型生体センサーを用いて心拍・呼吸データなどを取得し、リアルタイムで睡眠状態を解析する見守りサービス「SensingWave 介護見守りシステム」を販売する。介護負担の軽減や業務効率向上が期待できる。
凸版印刷は2018年3月28日、シート型生体センサーを用いて心拍・呼吸データなどを取得し、リアルタイムで睡眠状態を解析する見守りサービス「SensingWave(センシングウェーブ)介護見守りシステム」を同年4月に発売すると発表した。同サービスを拡販し、2018年中に関連受注を含めて約5億円の売り上げを目指す。
同システムは、複数人の睡眠状態や入床・離床の「見える化」を可能にするものだ。ベッドマットレスの下などに設置したシート型生体センサーから、利用者の心拍や呼吸などの生体信号を非接触で取得し、睡眠状態を即時解析する。
生体信号の解析には独自のアルゴリズムを用いており、これにより覚醒や就寝、寝返りの有無といった睡眠状態を把握できる。このアルゴリズムは、山形大学工学部応用生命システム工学科 教授の新関久一氏の協力のもと開発した。
同システムを用いて睡眠状態を「見える化」することで、施設スタッフが介護対象者の就寝時間中に適切なタイミングで声掛けしたり、離床時などにモバイル端末で通知を受けられるなど、介護負担の軽減や業務効率向上につながる。さらに、クラウド上に集積された睡眠データは、日々の睡眠の質を確認するなどに活用できる。
シート型生体センサーは、利用者が装着する必要がないため、睡眠中に外れて計測できなくなることもない。設置のための特別な施工も不要だ。
このサービスは、宮崎県の介護福祉施設「有料老人ホーム ソレイユの丘」と、長崎県小値賀町での独居高齢者見守りサービスに採用。同年4月からそれぞれ10台ずつ運用が開始される。
同社は、シート型生体センサーの用途開発を進め、今後は宿泊施設やエンターテインメント業界向けにも展開していく。
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