SOLIDWORKSはどれだけ便利になったのか、懐かし「SolidWorks 95」もちらっと登場3D設計推進者の眼(29)(3/3 ページ)

» 2018年03月27日 13時00分 公開
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GD&TとMBD

 今回、私が参加したセッションは、MBDを用いたGD&T(幾何公差設計法)についての話でした。以前、サイズ公差を一例に、日本でのJISへのGD&Tの影響についてお話ししましたが、私はセッションに参加することで、本場、米国でのその盛り上がりだけではなく、既に運用がされている雰囲気を感じることができています。

 講演では、MBDの有効性やその具体例に触れています。検査からMBDの詳細な設定方法に至るまで、積極的な質問や意見が交わされていました。

MBDの必要性を考える一例(出典:ダッソー・システムズ)
どうやって検査するのか、検査方法によっては良品・不良品はことなる(出典:ダッソー・システムズ)
正しいモデルのための定義とは(出典:ダッソー・システムズ)
モデル定義設定の一例(出典:ダッソー・システムズ)

 公差設計そのものについて特別に触れる内容はありませんでしたが、上の図のように最大実体公差(※2)についての考えやMBDでの設定方法についても講演されていたことはとても興味深いものでした。

 私の経験では、日本国内ではあまり見られない内容だとも思います。北米でセッションを満員にするだけ話題が集中しているMBDについては、その活用方法を含め調べていく必要がありそうです。

※2 最大実体公差 詳細の説明は他の機会にしますが、簡単に言うと、“はめあい”のような部品間の関係において、過剰に厳しい公差設定を行わなくても、正しい“はめあい”を可能とするような設定方法。

 GD&Tについては更に掘り下げていく必要がありますが、このGD&Tのお話は、別の機会にお話することにします。


 次回は公差計算における正規分布や工程能力指数についてのお話から始めることにします。お楽しみに。(次回に続く)

Profile

土橋美博(どばし・よしひろ)

1964年生まれ。25年間、半導体組み立て関連装置メーカーで設計・営業・3次元CAD推進を行う。現在、液晶パネル製造装置を主体に手掛ける株式会社飯沼ゲージ製作所で3次元CADを中心としたデジタルプロセスエンジニアリングの構築を推進する。ソリッドワークス・ジャパンユーザーグループ(SWJUG)の代表リーダー・事務局も務める。



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