併せて、これまでの従来型ECU向けのAUTOSARプラットフォームはClassic Platform(CP)という新たな呼び名を得て、さらなる改良や機能追加が継続的に行われています。
CPのR4.2.xでは、CAN FDへの対応、イーサネットスイッチへの対応 (EthSwt)、E2E Transformerの導入(E2EXf)、Large Dataの授受の効率改善(LdCom)、Sender/Receiver通信のシリアライズとSOME/IPへの対応(ComXf、SomeIpXf)、通信面でのセキュリティ保護の対応(SecOC)、診断関連の設計情報の授受の改善(Diagnostic Extract、DEXT)、通信を介したグローバルタイム同期への対応 (
また、R4.3.xでは、Crypto Stackの追加(CryIf, Crypto)、SOME/IPを用いてのより長大なデータの送受信への対応(SomeIpTp)、ワイヤレスイーサネットやV2X(Vehicle to X)通信関連モジュールの追加、そして、後述のFoundationの一部としての各種プロトコル仕様の切り出しなどが行われてきました。
どのリリースでの変更内容も、アーキテクチャ面の変更、機能追加やメソドロジー関連の改良といった、いわゆる「拡張」の方向のものが中心ではありますが、一部のBSWの廃止も行われています(Cal、Dbg)。
2018年10月には、R4.4.0が発行されます。筆者もその改訂のための検討作業(特に通信関連)に関わっておりますが、残念ながら、リリース前に変更内容を公表することは規約上許されていません。
しかし、SOME/IPの拡張、LIN Slaveへの対応、イーサネットでのウェイクアップの新方式への対応、セキュリティ面の拡張、マルチコア構成で利用しやすくするための改善などが検討されていることが、2017年11月に開催された「AUTOSAR Open Conference 2018」(第10回)で公表されています。全体の中では、通信(特にイーサネット)ならびに診断に関するRfC(Request for Changes:AUTOSARのCPにおける変更提案はRfCとして管理されています)の作成が活発とのことです。
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