ロームのEcoGaN製品GaN-HEMTが、Murata Power SolutionsのAIサーバ向け電源ユニットに採用された。同GaN-HEMTは、650V耐圧のTOLLパッケージを採用し、電源の高効率動作と小型化に貢献する。
ロームは2025年2月13日、同社EcoGaN製品のGaN-HEMTが、村田製作所グループのMurata Power SolutionsのAI(人工知能)サーバ向け電源ユニットに採用されたと発表した。
EcoGaN製品は、GaN(窒化ガリウム)の性能を生かしてアプリケーションの低消費電力化や周辺部品の小型化、設計工数と部品点数の削減を目指すデバイスだ。Murata Power Solutionsの5.5kW出力AIサーバ向け電源に採用されたGaN-HEMTは、650V耐圧のTOLLパッケージを採用し、電源の高効率動作と小型化に貢献する。
近年、IoT(モノのインターネット)の発展に伴うデータ通信量の増大とともに、消費電力の増加が課題となっている。特に、AI処理に必要な高速演算デバイス向け電源には、早急な効率改善が求められている。そのような中、低オン抵抗や高速スイッチング性能を特徴とするGaNデバイスは、インダクターなどの周辺部品の小型化や電源の高効率動作に寄与するものとして、期待されている。
Murata Power Solutionsのフロントエンド電源は、80PLUS Titanium認証およびオープンコンピューティング製品の要件を満たす高い変換効率を誇り、システム信頼性のためのN+m冗長動作にも対応することから、最新のGPUサーバへの電力供給にも適している。また、低背の1Uサイズのため、システム面積も削減できる。同電源ユニットは、2025年から量産を開始する予定だ。
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