3Dプリンタでペットボトル容器の試作を内製化、最短で3日に3Dプリンタニュース

ストラタシス・ジャパンのPolyJet方式3Dプリンタ「Objet Eden 260VS」を、サントリーMONOZUKURIエキスパートが清涼飲料用のペットボトル容器開発に採用した。同プリンタにより、サントリーは試作期間を1カ月半から最短3日と大幅に短縮している。

» 2018年03月07日 13時00分 公開
[MONOist]

 ストラタシス・ジャパンは2018年2月27日、同社のPolyJet方式3Dプリンタ「Objet Eden 260VS」を、サントリーMONOZUKURIエキスパートが清涼飲料用のペットボトル容器開発に採用したと発表した。

 サントリーMONOZUKURIエキスパートでは、限られた開発期間の中で、ペットボトルの軽量化と商品コンセプトを表現する高いレベルのデザインを両立させるため、試作のリードタイムを短縮する必要があった。しかし、アルミ製金型を外注する従来の試作方法ではリードタイムが長くなり、試してみたいボトル形状を時間的制約から断念することもあった。

 そこで検討の結果、樹脂型を社内で製作できる、3Dプリンタを活用したデジタルモールド技術の導入を決定。ストラタシスのObjet Eden 260VSを採用したのは、積層ピッチが細かく、後工程が簡易なPolyJet方式であること、樹脂の種類が豊富で造形スピードが速いことが理由だ。

 Objet Eden 260VSにより、サントリーMONOZUKURIエキスパートでは、試作回数が増えて1回あたりの精度も向上した。従来の金型による評価では、1回あたり1カ月半かかっていた試作評価の期間を最短3日間に短縮できた。

 また、3Dプリンタ導入に合わせて、パッケージエンジニアにも3D CADを使える人材を育成。コンセプトデザイナーも3D CADを使うため、試作前に両者が同じ3D CAD図面で検討することで、1回の試作評価の精度を高めることができた。

 サントリーでは、3Dプリンタによる開発を、アルコール飲料や海外も含めたその他の事業部門へと展開することを検討しつつ、生産現場の工具や治具の製作などに活用し、作業効率の向上に役立てたいとしている。

photo 左:3Dプリンタで作られた樹脂型、右:3Dプリンタによる樹脂型デジタルモールドを用いて成形された試作品(クリックで拡大) 出典:ストラタシス・ジャパン
photo 3Dプリンタ製樹脂型の試作を経てデザインされたペットボトル 出典:ストラタシス・ジャパン

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