リターンライダー潜在層が飛び付くバイクは?東京モーターショー 2017(3/5 ページ)

» 2017年11月28日 06時00分 公開
[西坂真人MONOist]

転ばない技術でバイクをより多くの人に――ヤマハ

 ホンダと同様にバイクの進化形を紹介していたのがヤマハ発動機(ヤマハ)だ。ワールドプレミアのコンセプトモデル「MOTOROiD(モトロイド)」は、常に車両の姿勢を最適化するAMCES(アムセス:Active Mass CEnter control System)と呼ばれる電子制御車体安定化技術で、バイクの自立化(不倒状態保持)を実現している。2眼カメラによる画像認識機能でオーナーの存在を認識し、手招きで近づいてくるといったことも可能だ。

photo コンセプトモデル「MOTOROiD(モトロイド)」

 車体を支えきれずに転倒してしまう「立ちゴケ」など、発進・停止時や低速走行時の不安定さがバイクを敬遠する理由の一つといわれている。今回のモーターショーでホンダやヤマハが提案したこれらの次世代テクノロジーは、二輪であるが故に自立できなかったバイクの概念そのものを変える画期的な技術で、今後のバイク需要のカンフル剤となる可能性を秘めている。

 同様に、バイクをより多くの人に楽しんでもらうための技術としてヤマハが強く推すのが、“転ばないバイク”のための技術「LMW(リーニング・マルチ・ホイール)」だ。2013年の東京モーターショーで前二輪・後一輪の三輪バイク「TRICITY Concept」を発表、2014年には市販モデル「トリシティ125」を発売している。今回のモーターショーではLMWを大型化して水冷直列3気筒エンジンを搭載した「NIKEN(ナイケン)」を世界初公開。走行環境変化の影響を受けにくく、旋回時の高い安定感を生み出すLMW技術で、さまざまに変化する路面や、コーナーが続くワインディングロードを自在に駆け抜ける高いスポーツ性能を実現するという。

photo 前二輪・後一輪の三輪バイク「NIKEN(ナイケン)」
photo 旋回時の高い安定感を生み出すLMW(リーニング・マルチ・ホイール)

 さらにLMW技術を四輪へと生かした「MWC-4(エムダブリュシーフォー)」も出展。LMWを前後に装備した四輪LMWによって、四輪車の安定感を保ちつつリーン(傾斜)して走行する二輪車の人機一体感を実現でき、従来のバイクにはない新感覚の走行フィーリングを体験できるという。

photo LMW技術を四輪へと生かした「MWC-4(エムダブリュシーフォー)」

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