運転免許ベースで見るとバイクの潜在層は確実に存在する。バイクの運転免許を所有している最大ボリューム層――40〜50代の“リターンライダー潜在層”が思わず飛び付く魅力的なバイクを、東京モーターショー2017の出展から探ってみる。
“バイク離れ”が叫ばれて久しい。日本自動車工業会による二輪車販売台数(国内末端販売店向け出荷台数)を見ると、1980年には237万台あったものが2016年には33万8000台と7分の1にまで減少しているなど、バイク販売の不振は統計データにも表れている。
だがその内訳を見ると、1980年の販売台数のほとんどが50cc以下の原付第一種(197万8426台)で占め、ここが2016年では16万2130台と12分の1以下になっているのだ。その一方で、普通自動二輪免許以上が必要な51cc以上の販売台数を見ると、減ってはいるもののピークの半減程度でグラフの年別推移も販売台数全体とは異なり、しかもここ数年は底を打って回復基調にも見える。
この(小さな)波を「第3次バイクブーム」と呼んで期待する声もあるが、果たして1980年代の第2次バイクブームのようなビッグウェーブとなるのだろうか。
第2次バイクブームで10代だった世代がいま40〜50代となり、子育てが一段落して経済的余裕も生まれたのを機にバイクに再び乗り始める「リターンライダー」がこの第3次バイクブームの主役といわれている。
この背景を、年代別の運転免許取得状況から探ってみよう。警視庁が公表している運転免許統計(2016年度版)から大型自動二輪免許と普通自動二輪免許の数を見てみると、45〜49歳のピークをはさんで40〜50代のボリュームが大きくなっているのが分かる。なお、65歳以上でボリュームが多くなっているのは免許制度によるものだ(1965年までは普通自動車免許の付帯免許として二輪免許が与えられていた)。
注目したいのはその人数で、全体の約5分の2を占めている40〜50代の二輪免許所有者は約749万人も存在する。全体の数自体も約1968万人と非常に多く、この母数だけを考えると年間34万台そこそこしか売れていない現在のバイク市場は、まだまだ伸びしろがあるように見える。
この潜在層――「隠れリターンライダー」が思わず飛び付くようなニューモデルは今後登場するのだろうか。
先日開催された2年に1度の祭典「東京モーターショー2017」では、ホンダ、ヤマハ発動機、スズキ、川崎重工業など国内4大バイクメーカーの他、ハーレーダビットソン、BMWモトラッド、BRPといった海外勢もバイクを出展。なかでもリターンライダー層をターゲットにしたバイク群が注目を集めた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.