大阪大学は、耳介後部ケーブルを用いた新しい補助人工心臓装着に成功した。末期心不全で移植適応とならない患者からの「患者申出療養制度」の申し出により、医療機器としては国内初となる承認を受けて実施された。
大阪大学は2017年10月30日、心臓移植やDestination Therapy(人工心臓の永久使用)治験の対象外の患者に対し、耳介後部ケーブルを用いた新しい補助人工心臓の装着を行い、これに成功したと発表した。末期心不全で移植適応とならない患者からの申し出によって実施する「患者申出療養制度」によるもので、医療機器の承認は国内初になるという。
耳介後部からケーブルを出すこの治療法は、現在承認を受けている腹部ケーブルを使用する療法に比べてケーブル由来の感染症のリスクが低いという。管理が容易で入浴なども行えるため、耳介後部型補助人工心臓を装着した患者のQOL向上が期待できる。
同大学大学院 医学系研究科 教授の澤芳樹氏らは、患者申出療養制度により同年3月に補助人工心臓を患者に装着。これに成功し、今回退院となった。今後は、海外では承認を受けている耳介後部型補助人工心臓について、日本人における有用性を明らかにしていく。
人工心臓を電気自動車の電力で動かす、ホンダの外部給電は医療機器にも対応
87%小型化した植え込み型心臓モニター
2025年の医療IoT市場は1685億円に拡大、2016年比で倍増
心臓での抗がん剤の副作用を再現、微細加工技術応用のマイクロ流体デバイスで
攣縮を起こした冠動脈の画像化に成功、狭心症の新たな病態解明への応用もCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
医療機器の記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム