2017年6月に発表したSLS(Selective Laser Sintering:選択的レーザー焼結)3Dプリンタである「Fuse 1」は約1万ドルで販売予定で、25万ドルのSLS装置相当の性能を目指している。同製品はナイロン製パウダー材料を用いて造形する。装置内のリサイクル機構により約50%まで再利用のパウダーが混ぜられる。試作の他、最終製品での利用も想定する。造形サイズは165×165×320mm、積層ピッチは100μm。粉末積層なのでサポート設置の心配もいらなくなる。日本での出荷は2018年1月を目標としている。
ここのところで、3Dプリンタをセル化した自動生産システムが各社から発表されているが、Formlabsでも「Form Cell」の開発に取り組んでおり、2017年6月に発表した。試作ではなく、最終製品のマスカスタマイゼーションを目的としたシステムだ。Form 2やForm Cure、Form Washといった装置を連結させ、ロボットアームを駆動させて造形から後処理までの工程を自動化するシステムだ。
万が一、一部の装置が止まってしまったときに自動検知して対応するフェイルセーフ機能も備える。2017年初めには米国の企業で初設置をしたが、日本の企業でも導入の話が進んでいるという。「日本では2017年末までに1システムの導入ができるよう動いている」(ラカトシュ氏)。
「日本でも米国でも、将来は労働人口の減少が見込まれている。そのような時代に向けて、3Dプリンタのようなマシンが労働力不足を補うという役割が期待できる。日本でForm Cellを検討する企業においても、労働力が潤沢に確保できない工場での採用を検討しているケースがある」(ラカトシュ氏)。
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