三菱重工サーマルシステムズは、熱源機器および冷熱プラントを手掛ける大型冷凍機事業の拠点を高砂製作所から三菱重工の神戸造船所内に移転した。三菱重工における伸長事業の規模および収益を拡大する施策の一環だ。
三菱重工業(三菱重工)は2017年9月4日、同社グループの三菱重工サーマルシステムズ(MTH)が、ターボ冷凍機などの熱源機器や冷熱プラントを手掛ける大型冷凍機事業の拠点を高砂製作所(兵庫県高砂市)から、三菱重工の神戸造船所(兵庫県神戸市兵庫区)内に移し、「神戸製作所」として同日より稼働を開始したと発表した。
今回の移転は、三菱重工における伸長事業の規模および収益を拡大する施策の一環となるもの。MTHを所管するインダストリー&社会基盤ドメイン(I&Iドメイン)関連事業の主要拠点である神戸地区に拠点を移し、リソースの有効活用によりグローバル市場での競争力強化につなげる狙いだ。
組み立て、動力、試運転などの各専用棟で構成された新しい大型冷凍機工場には、最新の試運転装置を導入。小型から大型まで幅広い製品を生産し、試運転を行う能力を備えた。
また、開発およびサービス部門は同敷地内の「Eビル」7階に入る。同ビルは、同地区に本社と拠点を置く三菱重工メカトロシステムズ(MHI-MS)や、三菱重工の総合研究所、ICT(情報通信技術)機能を担うICT本部が入居する拠点として、同年3月に完成した。
MTHでは、日本国内におけるターボ冷凍機市場の堅調な需要推移を受けて、省エネルギー性能について継続的に追求するとともに、環境への影響が小さい冷媒を採用した製品を開発・販売している。また、海外需要も高い成長が続いていることから、海外市場でのシェア拡大を優先課題として、競争力を高めた製品ラインアップを拡充し、今後の生産を神戸製作所および海外生産拠点で対応していく。
さらに、I&Iドメインで幅広い機械と制御技術を持つMHI-MSなど、Eビルに同居するグループ各社との技術交流を深め、ターボ冷凍機の高度化に向けたサーマルエンジニアリング能力増強や納入設備の保守とアフターサービス機能の向上を図るとしている。
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