エアロセンスと米国Swift Engineeringは、垂直離着陸型のドローンにおいて協業し、日本市場における規制緩和や市場開拓に取り組む。
エアロセンスと米国Swift Engineering(以下、スウィフトエンジニアリング)は2017年7月12日、垂直離着陸型の無人航空機(ドローン)において協業し、日本市場における規制緩和や市場開拓に取り組むことを発表した。
エアロセンスはソニーとZMPが設立した産業用ドローンの企業である。産業用ドローンによる計測プラットフォームの開発製造と、関連するソリューションの提供を業務としている。一方のスウィフトエンジニアリングは1983年にレージングカーの設計・製造会社として創業し、現在では航空宇宙分野で実績を伸ばしている企業である。
両社はそれぞれ自律飛行型の垂直離着陸型固定翼ドローン(VTOL)の開発を推進。エアロセンスは2016年に開発しており、沖縄の離島間飛行など実証を進めているところだ。一方のスウィフトエンジニアリングは自社ブランドの自律飛行型VTOL「Swift 020」を開発し、実用化に向けて取り組んでいるところである。
ドローンの商用利用については、マルチローター型については規制緩和なども進み実用化への動きが活発化しているが、VTOL型のドローンはマルチローター型に比べて飛行制御が難しいということもあり、制度面や実用面両方で課題が残された状況である。今回のエアロセンスとスウィフトエンジニアリングの協業の目的は、これらの課題を解決し制度整備を訴えていくとともに、商用利用が可能な市場の開拓を進めていくことだとしている。
ZMPの社長でエアロセンス 代表取締役を務める谷口恒氏は「ステップ1としては、VTOL型ドローンの技術的な価値について訴えて、日本政府に制度の整備を求めていく。同時に両社で市場開拓を進め、規制緩和が行われるとともに事業化を進められるようにしていく」と述べている。
一方、スウィフトエンジニアリングの会長兼CEOの松下弘幸氏は「従来日本市場では、フォーミュラカーでの実績があるだけだったが、VTOL型ドローンで制度の整備が進めば、当社にとっても新たなチャンスが生まれる」と期待感を示していた。
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