TransferJetコンソーシアムは、米国の電気電子学会IEEEにおいて、10Gbpsを超える超高速近接無線通信「IEEE802.15.3e」の国際標準規格化を完了した。4K解像度やVRなどの大容量データを短時間で転送可能にする。
TransferJetコンソーシアムは2017年6月8日、米国の電気電子学会IEEEにおいて、10Gbpsを超える超高速近接無線通信「IEEE802.15.3e」の国際標準規格化を完了したと発表した。今回の規格化は、同コンソーシアムのプロモーター企業であるソニー、日本無線、日本電信電話、東芝と協働して行われ、韓国の韓国電子通信研究院の協力も受けて実現した。
同規格は、あらゆる「かざす」機会を大容量データの瞬時転送の機会と捉える近接無線通信「TransferJet」のコンセプトを進化させたもの。TransferJetの操作性を維持しながら10Gbpsを超える超高速通信に対応し、4K解像度やVR(仮想現実)映像などの大容量データを短時間で転送可能にする。また、通信開始までの接続時間が2ミリ秒以下と短時間で、駅の改札ゲートを通過する際にコンテンツを配信するといった活用も可能になる。
同規格の仕様は、キャリア周波数が60GHz帯、最大転送速度が13.1Gbps 256QAM、接続時間が2ミリ秒以下、通信トポロジーは1対1双方向となる。
今後は、同規格をベースにした新たな高速近接通信技術「TransferJet X」の策定を進める。また、TransferJet X対応のSoC(System on a Chip)は、ソニーセミコンダクタソリューションズや日本無線が参加する高速近接無線技術研究組合にて開発中だ。
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