日本マイクロソフトは、「第6回 IoT/M2M展」において、組み込み機器向けOS「Windows 10 IoT」に関する展示を行った。2017年4月に提供を始めた「Creators Update」で追加された新機能「MA-USB」をアピールした。
日本マイクロソフトは、「第6回 IoT/M2M展」(2017年5月10〜12日、東京ビッグサイト)において、組み込み機器向けOS「Windows 10 IoT」に関する展示を行った。
中でも興味深かったのが、2017年4月に提供を始めたメジャーバージョンアップ「Creators Update」に関する展示だ。Creators Updateは、その名の通り、クリエイター向けをはじめとするマルチメディア関連のアップデートが中心になっている。例えば、「HoloLens」などで利用できる「Windows Mixed Reality」を用いたAR(拡張現実)/VR(仮想現実)の機能などだ。また、AI(人工知能)「Cortana」への対応も拡張された。
組み込み機器向けのWindows 10 IoTでは、あまり活用が見込めなさそうなアップデートが多い中で、日本マイクロソフトがピックアップしたのがワイヤレスUSB接続として知られる「MA(Media Agnostic)-USB(メディア非依存USB)」の標準サポートだ。
MA-USBを使えば、Wi-Fiやイーサネットなどの上でUSBプロトコルを利用できるようになる。つまり、複合機やプロジェクタ、ストレージ、果てはヘッドマウントディスプレイなどを、ワイヤレス接続でありながら、USB機器のように扱えるようになるわけだ。
展示では、サイレックス・テクノロジーのMA-USB対応デバイスサーバで接続した液晶ディスプレイに、タブレット端末「Surface」のペンタブレットによる描画をそのまま表示するデモンストレーションを行った。「MA-USB対応機器が広がっていけば、Windows 10 IoTベースの組み込み機器はそれらとのワイヤレス連携を自由に行えるようになる。IoTデバイスの将来性を大きく広げる可能性がある」(日本マイクロソフトの説明員)という。

「Windows 10 IoT」関連の展示。セルフレジのPOS端末の操作を、ロボットがサポートする(左)。クラウド「Azure」ともつながっており、「Face API」や「Motion API」を用いた認識も可能。Face APIで顔認証した結果などを、Azureの「Power BI」などで見える化したり分析したりできる。ASKEY製の「Windows 10 IoT Core」ベースのスマートウォッチ(右)。工場内のエンタープライズアプリケーションと容易に連携ができる。「スマート工場では、PCやタブレット端末を活用する事例があるが、このスマートウォッチを使えばハンズフリーになる」(日本マイクロソフトの説明員)という(クリックで拡大)
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