作業者にロボットが合わせる現場へ、ボッシュが打ち出す「ワークプレース4.0」ハノーバーメッセ2017

ボッシュは、ハノーバーメッセ2017において、人とロボットがより緊密に協力し、柔軟で高度な製造現場を実現するコンセプト「ワークプレース4.0」を提案した。

» 2017年05月10日 13時00分 公開
[三島一孝MONOist]

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 ドイツのRobert Bosch(以下、ボッシュ)は、ハノーバーメッセ2017(2017年4月24〜28日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、人とロボットがより緊密に協力し、柔軟で高度な製造現場を実現するコンセプト「Workplace 4.0(ワークプレース4.0)」を提案した。

photo ボッシュが訴える「Workplace 4.0」のデモライン。人とロボットが共に働く(クリックで拡大)

 ボッシュが提案する「Workplace 4.0」は人と機械の密接な協働を想定したもの。ボッシュの協働ロボットや作業支援設備などを含む「APASシリーズ」を活用し、従来のように機械の動きに作業者が合わせるのではなく、作業者の動きに機械が合わせ、自然に人と機械が協力し合うような製造現場をイメージしている。

photo 協働ロボットとベルトコンベヤーと人間が協力して働く様子(クリックで拡大)

 ハノーバーメッセ2017の製造ラインでは、協働ロボットの「APAS assistant」の可動タイプと、画像検査装置の「APAS inspector」などを組み合わせ、人と機械が協力する柔軟な生産ラインをデモした。

 「APAS inspector」は、学習型の画像処理機能を搭載した検査装置で、複雑なプログラムなしに、許容範囲を1度学習させるだけで品質検査が可能となる。機械学習によりその後の品質チェックに適用し、高精度の検査内容を維持し続けながら独立した作業を行うことが可能だ。

 これらの製造ラインの実績は、ネットワーク化により、収集、分析し、可視化することが可能である。さらに、複数工場の製造ラインを一元管理することで、生産の変動に迅速で柔軟に対応を取ることが可能となる。ネットワーク化され、生産情報と現在のワークの動きをRFIDなどで一致させることにより、作業者に対して、どのように完成品を組み立てる必要があるのか、またどのようなステップが必要なのかを写真や動画、図面などで、直接指示できるようになる。

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