日本では企業がR&D部門にコストをかけなくなり、研究開発力の低下が市場競争力を弱めているという指摘も聞かれる。一方で、大学にその役目を担わせ、産学連携を進めることで研究開発力を補うという動きもある。だが表氏は「企業の研究と大学の研究の役割の違いを理解する必要がある」と指摘する。
「大学の研究は100回のうち成功は1回でもいいからトップデータが欲しいというもの。そのトップデータを基に、だれよりも早く論文を書くことが求められるわけだが、企業ではそれはまったく意味がない。製品にならないトップデータではなく、性能は8割でいいからなるべく歩留まりを100%に近づけられる技術が必要。本来これが企業の研究開発だったわけだが、これを日本はなくしてしまった」(表氏)
“研究開発型ベンチャー”を掲げるイデアルスターは、大学での数ある基礎研究を企業の立場にたって選別・ブラッシュアップし、企業の製品開発につなげる役割を行うことで、社会が必要とする価値を提案する組織を目指している。
「いま、大学でも“産業に結び付く研究を”という声が大きくなり、基礎研究がおろそかになってしまっている。理想の大学を作るというのが私の夢。その大学では、研究費に依存しないで基礎研究を追求すること、もう一つは産業界で徹底的に役に立つ人材を育てること。この2つの役割を持った大学を興そうというのが最終目標。そのためにもイデアルスターが産業界で必ずトップになる」(表氏)。
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(取材協力:マイナビ)
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