自分らしい働き方を支援し、都市部から地方への人材流動を推進することを目的とした「SELF TURN(セルフターン)プロジェクト」が発足。「本来の自分らしく働く」をテーマに、働き方改革や地方創生の一助となるような活動を展開していくという。
「(政府が進める)働き方改革は、日本の企業文化、日本人のライフスタイル、働くという考え方そのものに手を付けていく改革。企業側の理解と変革を促すと同時に、一人一人の個人においても『自分らしく働くということはどういうことか』と問い掛けていくことは、働き方改革の大きな推進力になる」――。
「経済」を最優先課題として掲げた第3次安倍晋三第2次改造内閣の新ポストとして注目を集めている「働き方改革担当大臣」。その初代に就任した加藤勝信大臣が発表会に駆けつけ、「政府が進める働き方改革が目指す方向性に沿うもの」とエールを送るプロジェクトが、2017年3月22日に発表された。
「SELF TURN(セルフターン)プロジェクト」と名付けられたその活動は、自分らしい働き方を支援し、都市部から地方への人材流動を推進することを目的に、日本人材機構、ビズリーチ、ETIC.(エティック)の3社が旗振り役となっている。
日本人材機構は地域活性化を支援する官民ファンド「地域経済活性化支援機構」の100%子会社で、地方創生を目的に経営幹部人材が首都圏から地方へと流動するマーケットの形成に向けて活動している。一方、NPO法人のETIC.は社会起業家の育成に取り組み、地方のアントレプレナーへのコミュニケーションにおいて豊富な経験を有している。そして人材領域を中心としたインターネットサービスを運営するビズリーチは、 地方への転職に大きな実績を残している。
“地方で輝く人材”の創出を推進するこの3社がタッグを組んで発足したセルフターンプロジェクトでは、人材の東京一極集中という社会的課題に向き合い、働き方改革や地方創生の一助となるような活動を展開していくという。
セルフターンプロジェクトの発足経緯について日本人材機構 社長の小城武彦氏は「地方経済のポテンシャルの高さを感じている。首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、名古屋市、大阪市)以外の県内総生産の金額は合計で314兆円と成長ポテンシャルがある。地方創生はもはや“課題”ではなく“希望”」と地方経済圏の可能性をアピール。一方で少子高齢化など事業環境が変化し、多くの地方中小企業オーナーが相談できる参謀を持たずに孤軍奮闘している現状などから、“経営幹部人材”へのニーズが高まっていることを指摘する。
「東京勤務の大手企業管理職に『自分と同年代で能力を発揮し活躍している割合はどのくらいか』との問いに、55%が『(活躍しているのは)3割以下』と答えている。東京で『歯車」になるか、地方で『心臓』となるか。これからの仕事の選択基準は『自分らしさ』『職業観とのフィット』『仕事のだいご味』。働く個人が本来の自分らしく働くということを“セルフターン”と定義し、われわれはそれを応援していく」(小城氏)。
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